研究課題/領域番号 |
22K10859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 岐阜医療科学大学 |
研究代表者 |
矢野 優 岐阜医療科学大学, 看護学部, 講師 (20596910)
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研究分担者 |
三代澤 邦恵 岐阜医療科学大学, 看護学部, 講師 (30756672)
三上 章允 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40027503)
杉浦 浩子 岐阜医療科学大学, 看護学部, 教授 (60252152)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 慢性期統合失調症 / 長期入院患者 / 音楽療法 / NIRS / ストレングス / 統合失調症者 |
研究開始時の研究の概要 |
1年以上入院している長期入院の慢性期統合失調症者に対し,集団音楽療法による介入の効果を検証し、退院への意欲の喚起につながる音楽療法プログラムを検討することが本研究の目的である。対象に週1回,60分の集団音楽療法を1年間ずつ実施する。音楽療法の具体的内容は,歌唱活動,身体活動,楽器活動,音楽聴取などである。介入の効果については、脳血流量の測定やインタビュー、参加観察などを用いて評価していく。
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研究実績の概要 |
【目的と方法】長期入院の慢性期統合失調症者に対し、集団音楽療法による介入の効果を検証することを目的とし、単科精神科病院にて、1年以上入院している長期入院の慢性期統合失調症患者に対し、週1回60分の集団音楽療法を2病棟で1年間1年間実施した。音楽療法の活動内容は、歌唱活動、身体活動、楽器活動、音楽聴取など受動的・能動的音楽療法を組み合わせたセッションとした。音楽療法中の参加観察と音楽療法実施前・実施後の気分や各活動についての質問紙調査、精神科リハビリテーション行動評価尺度(Rehab) 、セッション中の脳血流測定(NIRS)、音楽療法後に半構造化面接調査を行った。脳血流測定(NIRS)には近赤外光脳計測装置((株)NeU社HOT-2000)を用いた。 【結果】男性・女性の2病棟で研究の同意が取れた対象者18名のうち、1年間継続参加した対象者は10名であった。音楽療法の実施前・実施後の気分の変化について、どの時期においても、音楽療法実施後の気分は「気分が良くなった」と好転しており有意差を認めた。半構造化面接の結果、余暇・娯楽の時間として音楽療法を認識していたことを語っていた。さらに、音楽療法を通して夢や希望、退院後の生活について新たな目標を語っていた。NIRSの結果は、いずれの患者も0.5~1.5mMol程度の総ヘモグロビンの濃度に変動が見られた。 【考察】長期入院の慢性期統合失調症者に対する音楽療法の効果として、音楽療法は、一時的に快の情動反応が高められることや、心理的な変化として夢や希望につながりやすいことが明らかとなった。集団での音楽活動は、音楽を媒体とした他者交流の機会となり、自己肯定感を高める一助となることが示唆された。さらに、慢性期統合失調症者の認知機能障害を考慮した集団での楽器活動で一体感を感じられれば、認知機能障害の改善や意欲向上の一助になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究同意者が当初計画していた人数よりも少なかったものの、同意の得られた対象者に対して4病棟ともに1年間実施できたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象施設での実施は2024年度3月末ですべて終了したが、研究対象者が少なかったため、必要時は対象施設を増やし、介入を実施することも検討していく必要がある。
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