研究課題/領域番号 |
22K10861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
布谷 麻耶 (吹田麻耶) 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (70514735)
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研究分担者 |
高橋 美宝 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (20912132)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 大腸内視鏡検査 / 苦痛 / 支援モデル |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患患者に対して大腸内視鏡検査は診断や治療上、有用な検査である一方で、前処置を含め患者にとっては侵襲が大きく、苦痛を伴う検査である。そこで本研究は、大腸内視鏡検査を受ける炎症性腸疾患患者の苦痛軽減に向けた支援モデルを開発することを目的とする。まず、大腸内視鏡検査を受ける患者が体験する苦痛を明らかにするために患者に面接調査を行い、その結果をもとに検査に伴う苦痛を測定する質問紙を作成し、患者を対象に調査を行い、苦痛の程度とその影響要因を分析する。その上で検査を受ける患者の苦痛軽減に向けた支援モデル案を作成し、患者と医療者による有用性と妥当性の評価を行い、モデルに修正を加え、確定する。
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研究実績の概要 |
本研究は、大腸内視鏡検査を受ける炎症性腸疾患患者の苦痛軽減に向けた支援モデルを開発することを目的とする。 2023年度は、2022年度に実施した、大腸内視鏡検査を受ける炎症性腸疾患患者が体験する苦痛を明らかにするための質的記述的研究結果および海外の先行研究の結果をもとに炎症性腸疾患患者の大腸内視鏡検査に伴う苦痛を測定する尺度案について、研究者で検討し、【前処置による心身の負担】9項目、【時間と費用の負担】7項目、【検査中の痛みと恐怖】9項目、【医療者との関りで生じる困惑】7項目、【検査後の疲労と病状悪化】5項目、【検査結果と今後に対する不安】6項目の計43項目から成る案を作成した。 本尺度は炎症性腸疾患患者に回答いただくものであり、その回答をもとに必要な看護支援を検討するものであるため、炎症性腸疾患患者と患者への看護実践を行う看護師を対象に、尺度案の内容妥当性および表面妥当性の検討を行った。具体的には、過去5年以内に大腸内視鏡検査を1回以上受けた経験のある、18歳以上の炎症性腸疾患患者6名、大腸内視鏡検査の看護や介助の実践経験 3年以上の看護師6名の計12名を対象に質問紙調査を行い、Content validity indexを用いた検討を行った。加えて、項目の表現方法や例示方法、過不足について自由記述を求めた。結果、一部の項目表現を修正し、I-CVIが0.78未満であった11項目を削除し、自由記述の意見をもとに新たに1項目を追加して、計33項目から成る修正版尺度案を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究実施計画に則り、2023年度は第一段階の炎症性腸疾患患者への面接調査の分析結果と先行研究をもとに患者の大腸内視鏡検査に伴う苦痛を測定する尺度案を作成した。また、患者および看護師への質問紙調査を通して、内容妥当性と表面妥当性の検討を行い、次年度以降の第二段階の調査に向けて修正版尺度案を確定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度から2025年度は、大腸内視鏡検査を受ける炎症性腸疾患患者の苦痛測定尺度の構成概念妥当性、基準関連妥当性、および内的整合性を検討するために、前段階で作成した修正版尺度案を用いて、全国規模のオンライン調査を実施する。調査は、①炎症性腸疾患患者のオンラインコミュニティであるGコミュニティに登録している患者のうち18歳以上の成人で、性別及び居住地は問わない。②炎症性腸疾患(クローン病または潰瘍性大腸炎)と診断されて、過去5年以内に大腸内視鏡検査を1回以上受けている者、③調査票で用いる日本語を理解できる者、④本研究に関する説明文書の記載内容に承諾し、オンライン同意確認フォームで同意が得られた者のすべてを満たす者を対象とする。尺度の安定性についてはテスト・再テスト法を用いて検証する。得られた回答データは統計学的に分析し、結果をまとめる。 2025年度から2026年度年度は、大腸内視鏡検査を受ける炎症性腸疾患患者の苦痛軽減に向け、臨床で活用できる支援モデルを作成する。運営委員会のメンバーでこれまでの調査結果をもとに支援モデル案を作成し、患者と医療者による有用性と妥当性のチェックを受け、その結果に応じて支援モデルに修正を加え、確定する。
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