研究課題/領域番号 |
22K10867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 一宮研伸大学 |
研究代表者 |
安藤 詳子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (60212669)
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研究分担者 |
杉村 鮎美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (60521854)
佐藤 一樹 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (60583789)
小澤 直樹 一宮研伸大学, 看護学部, 講師 (80908260)
増永 悦子 一宮研伸大学, 看護学部, 准教授 (00465569)
小野寺 美佳 一宮研伸大学, 看護学部, 助教 (80962258)
中島 奈緒子 椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (10829047)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | デスカンファレンス / 死別体験 / 看護師 / グリーフ / 心的外傷後成長 / Post Traumatic Growth |
研究開始時の研究の概要 |
死別体験は、人間の限りある生命に直面した無力感や深い悲しみ、関係を築いた人を失い自らの身体の一部を奪われたような喪失体験をもたらす。患者の臨終に立ち会う病棟看護師は、その死別による深い悲嘆を体験するが、自らを専門職として律することで悲しみの感情を抑制し、自身の心の痛みにも気づく間もなく日々のケアに追われている。そのため、心の感受性が失われバーンアウトや離職に至る看護師も少なくない。近年、死別を含む‘否定的体験からの成長’が重視され、看護師においても死別体験を通して人として専門職として成長していくことが望まれる。本研究は看護師が死別体験から成長に向かうデスカンファレンスの方略について検討する。
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研究実績の概要 |
死別体験は、人間の限りある生命に直面した無力感や深い悲しみ、関係を築いた人を失い自らの身体の一部を奪われたような喪失感をもたらす。患者の臨終に立ち会う病棟看護師は、その死別による深い悲嘆を体験するが、自らを専門職として律することで悲しみの感情を抑制し、自身の心の痛みにも気づく間もなく日々のケアに追われている。そのため、心の感受性が失われバーンアウトや離職に至る看護師も少なくない。近年、死別を含む‘否定的体験からの成長’が重視され、看護師においても死別体験を通して人として専門職として成長していくことが望まれる。 本研究は、患者との死別による看護師の悲嘆を支援する具体的アプローチとして、デスカンファレンス(以下DC)に着目した。今まで個人に委ねられてきた死別体験から成長への対処行動を組織的に支援することを意図し、看護師が死別体験から成長に向かうDCの方略を明らかにすることを目的とした。 最初の2022年度、予定通り、全国の緩和ケア病棟とがん診療連携拠点病院の消化器・呼吸器系病棟勤務の看護師長に対する調査結果から、「DCの効果的な運用手引き案」を作成した。一つに「DC開催の方略」として、DCの目的・時期・時間帯・参加職種・記録等について、現実的に開催しやすい方法を明示した。二つに「DC進行の方略」として、「発言しやすい雰囲気づくり」「安心して感情を表出できるための配慮」「無理のない肯定的な捉え方の共有」等の項目で構成し、分かり易く表記した。 2023年度、調査を実施する予定であったが、対象と分析方法の吟味に時間をかけ修正を加えたため、調査の実施を2024年度に変更した。 そこで、その結果分析から「DCの効果的な運用手引き案」の妥当性を確認し、研究を1年間延長希望して、2025年度に実際の病棟に導入を試み効果を明らかにする見通しである。完成すれば臨床への活用を期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度、計画通り「DCの効果的な運用手引き案」を作成した。「手引き案」はDCの「開催」と「進行」の方略により構成した。「DC開催の方略」は、申請者らが実施した2020・2021年調査の現状分析から現実的なDC開催方法(目的・時期・時間帯・参加職種・記録等)を明示して構成した。「DC進行の方略」については、2020年の全国緩和ケア病棟に勤務する看護師長431名を対象とした調査結果の有効回答151と、2021年のがん診療連携拠点病院の消化器・呼吸器系病棟に勤務する看護師長804名に対し調査して得られた有効回答176を連結し、「DCの運営における心がけ項目」を因子分析した結果を基盤にして項目を構成した。加えて、「看護師が死別体験から成長に向かうDC」の視点を強調して「手引き案」を作成した。 2023年度、研究初期に計画した調査の対象と分析方法について、時間をかけて十分に吟味した。がん看護専門看護師・緩和ケア認定看護師、がん看護学専門の大学教員等でZoom会議により意見交換し、「手引き案」を吟味するとともに研究全体についても討議し、次の2点を変更した。 一つに、全国の緩和ケア病棟とがん診療連携拠点病院病棟勤務の看護師500名に質問紙を郵送し、これまでの調査項目に加えて「DC参加に伴う効果と困難(自由記載)」を調べ内容分析する予定であったが、面接調査に変更する。その理由は、看護師が死別体験からDCを通して成長に向かう様相について文章化するには面接調査の方がより具体的に現象を表現できると判断したためである。 二つに、「手引き案」の妥当性を検討するために計画したデルファイ質問紙調査について、対象を当初のがん看護専門看護師から実際のデスカンファレンスに参加頻度が高い緩和ケア認定看護師に変更し、また、「手引き案」は精選されており最終の確認段階にあると判断し、3回調査を1回に変更した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度、「手引き案」の妥当性を検討するために二つの調査を実施する。第一に、A県内の医療施設に勤務しDCを経験している緩和ケア認定看護師やがん看護専門看護師10名程度を対象に面接調査を実施する。面接で得られた内容を質的帰納的に分析して、患者との死別からDCを通して看護師自身が成長に向かう体験と、DCに参加する際の看護師の準備(心構え)として考えられることを明らかにする。第二に、日本看護協会ホームページ公開の緩和ケア認定看護師の内、病院勤務者を対象とし質問紙調査を実施する。「手引き案」の項目に対する賛同率を調べ、同時に有益性発見尺度12項目(坂口:2002)を用いて、DCの経験を通して成長しているという主観の度合いについて質問し先行研究と比較する。第一と第二の調査結果を合わせて検討し、「DC運用手引き」を完成する。 2025年度、1年間の研究期間延長を希望して、DC運用手引きの効果について検討するために、A県内の医療施設に協力を依頼し、実際の病棟にDC運用手引きの導入を試み、従来通りの場合とDC運用手引きを用いた場合を比較する。DCが“患者との死別体験から看護師自身の成長に向かうための一助となり得るか”について病棟看護師に問う。また、有益性発見尺度12項目(坂口:2002)を用いてDCの経験を通して成長しているという主観の度合いについて調べ、「DCの効果的な運用手引き」について臨床における有用性を確認する。完成すれば臨床への活用を期待できる。
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