研究課題/領域番号 |
22K10876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
菊池 佑弥 岩手医科大学, 看護学部, 助教 (80935007)
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研究分担者 |
野里 同 岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (10807225)
舘向 真紀 岩手医科大学, 看護学部, 特任講師 (20805428)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 昇圧剤 / 血管外漏出 / 皮膚傷害 / 皮膚障害 |
研究開始時の研究の概要 |
基礎研究で得られた実証データより、昇圧剤の血管外漏出時も一般的な薬剤と同様に冷罨法が推奨されるが、実験で使用したドブタミン塩酸塩は昇圧剤でも血管収縮作用が弱く、血管収縮作用の強いドパミン塩酸塩やノルアドレナリンなども血管外漏出性皮膚傷害に急性炎症が強く関与しているかは明らかにされていない。そのため、昇圧剤の血管外漏出時は未だに温罨法が推奨されているのが現状である。 本研究では、昇圧剤のエビデンスに基づくケアを確立するため、血管収縮作用の強い昇圧剤に関しても血管外漏出時の皮膚傷害について組織学的な検索を行い、実証データから得られた知見を基に有効なケア方法について検証する。
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研究実績の概要 |
昇圧剤が血管外に漏出した際は薬理作用から推測されたケアが行われているが、そのエビデンスは確立されていない。エビデンスに基づくケアは、患者のQOLの向上に期待ができると考える。 令和5年度は昇圧剤の血管漏出への罨法の効果に関する実証研究を行った。使用動物は生後10週齢のCrj:Wistar系雄性ラット(日本クレア)を選択した。使用薬剤は、皮膚傷害の発生機序の解明で使用したドブタミン塩酸塩、ドパミン塩酸塩、アドレナリン、ノルアドレナリンの4薬剤を選択した。動物実験用吸入麻酔器を用いてラットに吸入麻酔液を吸入させ、麻酔導入後にラットの背部をバリカンで剃毛後、背部の皮膚をつまみ上げ、26Gの注射針を挿入し、各薬剤を0.3ml皮下に注射し、疑似的に血管外漏出を作製したしたのち、薬剤を投与した部位にアイシングコールド/ホットパックを用いて罨法を行った。温度の調節は、ラットの皮膚の表面にデジタル温度計のセンサーを貼付し、冷罨法は21±1℃、温罨法は41±1℃で30分維持するよう罨法を行った。血管外漏出より1、3および5日目肉眼的観察と組織学的検索を行った。 結果として、肉眼的観察ではドブタミン塩酸塩では冷罨法、温罨法ともに潰瘍形成を認め、ドパミン塩酸塩では温罨法でのみ潰瘍を認めた。各薬剤ともに組織学的検索により、明らかに血管が収縮している所見は認められず、どの薬剤においても血栓の形成が認められた。このことから、昇圧剤が血管外に漏出した際の皮膚傷害は血管収縮作用の影響は少ない可能性が示唆され、また、血栓形成による虚血性傷害が影響していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、当初の予定通り研究を進めることができているため、今後も計画通り進行していく。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は当初の予定通り、昇圧剤の血管外漏出へのステロイド軟こうの効果に関する実証研究を行う予定である。
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