研究課題/領域番号 |
22K10884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
水流添 秀行 東邦大学, 健康科学部, 助教 (20827018)
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研究分担者 |
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (40323414)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 直腸がん / LARS / セルフケア / 就労 / 術後排便障害 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
直腸がん肛門温存術後の患者は、低位前方切除症候群と呼ばれる排便障害を合併し、術後1年経過時でも約半数の患者で便漏れや頻便等の症状を有する。直腸を含む大腸がん患者の約半数は休職後6か月以内に復職するため、就業中の排便障害に対する対処の自立支援が課題となる。しかし、近年の入院期間や外来診察時間の短縮化により、病院で提供する患者への支援には限界がある。 本研究の目的は、直腸がん肛門温存術後の排便障害に対する就労再開・継続のための自立支援教材を開発することである。この教材により直腸がん肛門温存術後患者の就労再開に向けた主体的な取り組みを強化し、ひいては術後早期からの就労再開と継続実現に貢献すると考える。
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研究実績の概要 |
昨年度の文献検討に2023年度の文献を追加し再分析を実施した。対象論文1件が追加され、直腸切除後がんサバイバーの就労再開・継続に向けた退院後の体験に「排便コントロールによるストレスで別の問題が生じるため対処行動を中止する」等が追加された。 文献検討の結果をもとにLARSを抱える直腸がんサバイバーの就労再開・継続を目指すセルフケア教材作成を実施している。教材の学習目標には、LARSに対して排便コントロール・便失禁への対処ができる、LARSの症状を抱えながら就労を再開・継続できる、LARSについて相談できる、直腸切除によって変化した身体に折り合いをつける、直腸がん再発のリスクを認識し予防行動がとれる、を設定しており、学習内容には直腸切除により生じる身体の変化、排便コントロール(食事療法薬物療法、生活習慣を整える、骨盤底筋運動、排便日誌でのセルフモニタリング)、便失禁への対処(失禁時の衣類等の備え、外出先のトイレの場所の確認)、就労時のLARSへの対処(症状のコントロール、症状の伝え方)、LARSに関する相談方法、LARSに対しての向き合い方、不安を相談できる場所、退院後の定期受診の必要性を設定している。 排便日誌でのセルフモニタリングではWebベースでの排便日誌を作成予定である。今年度関連業者へWeb媒体の教材作成の一部委託を依頼したが当初予算での作成が困難であることが分かり、教材作成の方法、依頼業者または内容の変更を検討している。また、実施した文献検討に関しては近日中に論文投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度、教育活動に関する業務が急遽増大したため、研究に対するエフォートが減少した。またWeb媒体での教材作成が想定の予算で実施困難であることが分かり教材作成の方法、依頼業者または内容の変更の検討といった予定外の工程が発生したためである。
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今後の研究の推進方策 |
計画の遅れにより1年間の研究延長が必要な状況である。次年度にWeb教材案を作成し、その内容を精錬させるため、直腸がん術後排便障害に携わる医療専門職、就労支援の専門職、教材を使用する当事者を対象にしてインタビューを実施し、教材案をブラッシュアップさせる。再来年は完成した教材を対象者に使用してもらうことで介入研究を実施していく。
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