研究課題/領域番号 |
22K10902
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
塚越 みどり 東海大学, 医学部, 特任教授 (60405016)
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研究分担者 |
大石 朋子 (大塚朋子) 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 講師 (40413257)
前川 二郎 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (70244449)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 弾性着衣 / 弾性ストッキング / 握力 / 高齢期 / 高齢者 / 圧迫療法 / がん治療後 / リンパ管静脈吻合術 |
研究開始時の研究の概要 |
圧迫療法は、がん治療後の続発性リンパ浮腫の中心となる治療法で、重症度に応じた圧迫圧での治療継続が必要である。しかし、高齢化により筋力低下や関節の障害が生じ、弾性着衣による圧迫が継続できず浮腫が悪化し、蜂窩織炎やADL低下が問題となる。後期高齢者の圧迫療法指針、浮腫評価、継続可能な圧迫方法を新たに開発する。
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研究実績の概要 |
続発性下肢リンパ浮腫の複合的治療において、圧迫療法の継続は浮腫の軽減、悪化防止に不可欠である。ISL期Ⅱ晩期以降では、伸び高度の高い平編み弾性ストッキングの着用によって浮腫のコントロールが容易になることを経験している。近年、高齢期の患者から筋力の低下に伴い、弾性着衣の継続使用が難しいと外来で相談を受ける機会が増えた。そこで、実際に着用している弾性着衣と着用に必要な上肢の筋力を示す握力と患者への指導を検討した。A県内2病院の70歳以上の続発性下肢リンパ浮腫女性患者でISL分類Ⅱ期晩期以降の39名(76.8±4.2歳)を対象に使用する弾性着衣、受診当日の左右握力を70ー74歳、75ー79歳、80歳以上の3つに分けて調査した。 1.年代別の握力:各年代とも握力の左右差はほとんどない。70歳代前半と後半では握力の差もなかった。80歳代の平均握力は、20kg未満であった。各群の握力に統計学的有意差はなかった。 2.年代別の弾性着衣:70歳代では平編み、丸編みクラスⅡの弾性ストッキングを使用しているが、80歳代では、握力の低下により日中の圧迫を平編みクラスⅡから平編みクラスⅠへ変更した患者が2名いた。 3.弾性ストッキングの種類別の握力:弾性ストッキングの種類別の握力は、平編みクラスⅡ(n=28):21.3kg、丸編みクラスⅡ(n=9):19.3kg、平編みクラスⅠ(n=2):17.5kgであった。今回の対象者では平編みクラスⅡ患者群では、丸編みクラスⅡを使用する患者よりも握力が2kg高かった。 80歳以上では、平編み弾性着衣クラスⅡ着用患者は約4割であり、握力の低下による弾性ストッキングの種類の変更が生じているのが現状である。一方で80歳以上でも20kg以上の握力を維持する患者もおり、個人差がある。高齢期患者においては、患者の握力値を確認することは着用の指導上、重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度予定していたデータ収集、分析を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、英論文の投稿を準備している。
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