研究課題/領域番号 |
22K10939
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
清水 嘉子 名古屋学芸大学, 看護学部, 教授 (80295550)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 夫婦ペアレンティング / 尺度 / 家事・育児 / 育児期 / プログラム / 介入プログラム作成 / 尺度開発 / プログラム評価 / 夫婦 / ペアレンティング / プラン / 評価 |
研究開始時の研究の概要 |
育児期にお互いが考えていることや求めていることへの理解を深めていくことが重要な課題であり、発達課題である仕事への責任感や生きがい、夫婦の絆を深めるなどの「親としての成長」を互いに高め、家族の再構築を促すことに通じるものと考える。夫婦ペアレンティングを促進する介入プランの骨子を検討し、実際にプランに参加しコースによる介入プランを開発する。プランと共に冊子を作成し、プランの実施と評価を行なう。
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研究実績の概要 |
夫婦ぺアレンティング認識尺度の開発とその短縮版の開発、さらに夫婦ぺアレンティングの影響要因について確認した。5歳までの子どもがいる母親・父親378人に本調査を依頼し、334人の回答を得た。確証的因子分析を行い、15項目からなる短縮版夫婦ペアレンティング認識尺度を作成した。因子名は“互いの情緒的サポート”“互いの具体的サポート”“子育ての合意と交渉”“責任の共有の困難”である。作成された短縮版夫婦ぺアレンティング認識尺度と、夫婦ぺアレンティングの効果を明らかにするため、育児幸福感・育児ストレス、夫の育児行動(育児項目50項目)との関連を分析を行った。短縮版夫婦ぺアレンティング認識尺度は夫妻ともに育児幸福感“夫への感謝”を増し“育児ストレス“夫の支援のなさ”を低減させていた。加えて夫は“育児の喜び”“子どもとの絆”を増し“育児不安”を低減していた。夫の育児項目では、“夫の支援のなさ”の支援できていない自覚が有意に高く、支援のなさを自覚していれば育児項目も少ない。育児・家事項目を多く行うことは夫の支援のなさの軽減であり、夫婦ペアレンティングに関連がないとは言えない。育児項目を示し実行を増やすことは夫婦ぺアレンティングの向上に繋がると考える。さらに、育児幸福感・育児ストレス、夫の育児行動(家事・育児の50項目)との関連を分析することを目的とした。育児幸福感 は “育児の喜び”“夫への感謝” が高く、育児ストレスは “育児不安”“夫の支援のなさ” が低ければ 夫婦ペアレンティングは良好となる関連が示された。また夫の『子育てに協力的でない』『自分の生活を中心に考えている』『妻の育児生活の苦労を理解していない』などの自覚に関連がみられ、夫の育児行動が増えることは「夫の支援のなさ」の軽減に繋がり、育児幸福感の高まりと育児ストレスの軽減が夫婦ぺアレンティングを良好にすることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に研究は進められている。2024年度に向けては、一度プラン実施を試み評価しているので、改善案を検討し再度、試みる予定となっている。4月には最初に試みた実施に関する論文を作成し、公表予定にある。 夫婦ペアレンティングである夫婦で子育てを協力し合うことを促進させるためのプログラムを作成し、育児期にある夫婦に実行を試みて、そのプログラムの効果を検討した。また、「夫の教育参加の効果」の考え方はプログラムを通して、夫は育児・家事など協働の高まりとなるのか、夫婦ペアレンティング認識下位尺度項目“お互いの情緒的サポート”、”お互いの具体的サポート”、”責任の共有の困難”、”子育ての合意と交渉”の変化について検討した。 夫婦で協力する育児調査において協力のあった男性(父親)・女性(母親)へ、夫婦を対象とした4回の連続調査を行った。プログラムを実施した夫婦94組(夫36±3.1歳,妻35±2.9歳)を分析対象とした。プログラム実行の意識度、取り組み方、プログラムの実施状況をふまえて感想後の尺度得点の変化は、低群では有意な高まり、高群では減少があった。これらを踏まえプログラムの検証と検討をおこなった。さらに、夫が考える「夫の教育参加」20項目の内7項目にその考えの有無は、夫婦ペアレンティング認識尺度得点と有意な関係があった。また、夫が行う家事行動数は夫婦ペアレンティング認識の得点が高群または中群の方が低群より有意に多かった。
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今後の研究の推進方策 |
今のところ順調に進んでいるので対策は検討していない。夫婦ペアレンティングを促進するためのプレ介入を試みた結果を受けて、今後プランの見直しや対象者への介入の時期など検討を行い改めて介入を行う予定としている。
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