研究課題/領域番号 |
22K10956
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
川城 由紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (20337108)
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研究分担者 |
宮宗 秀伸 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (80422252)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 更年期女性 / 骨量 / 睡眠 / 骨密度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、更年期女性の骨量の低下を引き起こす新規候補因子として、特に「睡眠状態」に着眼する。【研究1】では成人期初期にある女性を、【研究2】では更年期女性を対象として、睡眠状態及び日常生活調査(食生活や運動習慣など)と骨量の測定を行う。成人期初期と更年期(閉経前・閉経後)のデータの比較から、睡眠状態と骨量の関連を評価する。更年期女性は不眠を訴えるケースが多く、一方で睡眠状態と骨量低下との関連が近年注目され始めているが未だ不明点が多い。本研究の成果は更年期女性の骨量低下予防に向けた支援を検討することに貢献できると考えている。
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研究実績の概要 |
更年期女性における骨量の低下、その後の骨粗鬆症や骨折に伴うQOLの低下は社会問題となっている。本研究は骨量の低下を引き起こす生活環境要因を明らかにすることを目的とし、特に「睡眠状態」を中心とした評価を行う。2022年度は本調査における予備検討を実施し、解析方法についての問題点及び課題の有無を検討した。 2023年度は被検者を対象とした調査を開始した。倫理審査承認後、被検者4名に対して調査を行った。対象者の年齢は38歳~47歳、職業あり2名、職業なし2名、BMI15.6~32.4、全員がほぼ規則的な月経周期を有している女性であった。対象者における簡略更年期指数(SMI:Simplified Menopausal Index)は3点~36点であり、得点上更年期障害の人はいなかった。睡眠に関しては日本語版ピッツバーグ睡眠質問票(pittsburgh sleep quality index:PSQI)による評価は2点~7点、カットオフ値5.5点以上が1名であった。睡眠測定はアクチグラフを非利き腕に装着し測定したところ、一週間の調査期間における総睡眠時間(Total Sleep Time: TST)は292.6分~381.2分、睡眠効率は87.7%から95.0%であった。骨密度は右踵部での測定を行い、骨内伝播速度 (Speed of Sound: SOS) は1485~1591、%YAM(対Young Adult Mean:若年成人平均値を100としたときの骨量の割合)は75~129%であった。尿中デオキシピリジノリン (DPD) はクレアチニン換算値で4.0~6.1、骨量減少のカットオフ値を超える対象者が1名いた。食事調査は「食物摂取頻度調査票」FFQ NEXTを使用し、栄養計算ソフト栄養プラスで分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
尿中DPDの測定について、業者の選定に時間を要したことと、研究代表者の所属機関と業者との契約にかなりの時間を要したことが、研究開始が遅れた要因の一つとなっている。尿中DPD測定に関して測定業者との契約、検体の受け渡し、結果の受け取りについての確認が十分にでき、調査を開始することができた。研究開始がかなり遅れたものの、その他の解析項目についても現在のところ特に大きな問題を生じることなくデータ採取が進んでいることから、大きな研究方法の見直しを必要とすることなくこのまま研究を遂行できるものと考えられる。以上のことから、現在までの進捗状況は「(3) やや遅れている」に相当するものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
以下の研究計画で遂行する。対照群20~30歳代、中高年女性群40~60歳代を対象に調査を行う。研究者の所属する教室のホームページによる募集や機縁法、対象年齢の女性が所属する職場や団体等に対象者募集の資料掲示を依頼する。1)基本属性の調査、2)睡眠に関する調査、3)食事摂取調査、4)運動習慣調査、5)骨量測定を行う。1)については年齢、身長、体重、既往歴、喫煙歴、月経周期などの情報を得る。2)については主観的評価として、日本語版PSQI、および睡眠日誌から、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害の有無などの主観的睡眠状態調査を実施する。客観的評価については、アクチグラフの装着により睡眠状態(総睡眠時間、入眠潜時、中途覚醒時間・回数、睡眠効率など)を測定する。3)についてはFFQ NEXTを用いて調査を行い、栄養計算ソフト栄養プラスで分析を行う。カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンB群、ビタミンC、タンパク質などの摂取量について評価する。4)については運動習慣(週当たりに運動している日数)の有無、運動の内容、生活活動強度、および日中の外出頻度や時間などについての情報を得る。5)については超音波骨密度測定装置によって、右踵骨部のSOS値、%YAM、%AGEを測定・算出する。尿中DPD濃度(クレアチニン換算)について外部業者に委託し測定データを得る。これらにより、対象者における、骨密度の状態と関連する生活要因の関連を分析・評価する。
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