ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師の道徳的レジリエンス

研究課題

研究課題/領域番号	22K10958
研究種目	基盤研究(C)
配分区分	基金
応募区分	一般
審査区分	小区分58070:生涯発達看護学関連
研究機関	静岡県立大学
研究代表者	丸山始美静岡県立大学, 看護学部, 助教 (70910371)
研究分担者	山下早苗静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40382444)
研究期間 (年度)	2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス	交付 (2022年度)
配分額 *注記	2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円) 2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円) 2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円) 2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード	道徳的レジリエンス / 看護師 / 子ども / ターミナル期 / 倫理的苦悩 / 小児がん / 小児看護 / 看護倫理
研究開始時の研究の概要	ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師は、子ども参加型の意思決定支援をすることが難しく、倫理的苦悩を抱きやすい。倫理的苦悩を抱きつつ、看護実践をするには辛く苦しい状況から回復する力（道徳的レジリエンス）を持つことが望まれる。本研究は、ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師を対象として、倫理的苦悩に対する道徳的レジリエンスを発揮する様式と発揮するための因子を明らかにすることを目的とし、倫理的苦悩に直面する看護師が、辛く苦しい気持ちへの忍耐力・回復力である道徳的レジリエンスを発揮するための一助とする。
研究実績の概要	本研究の目的は、ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師を対象として、倫理的苦悩に対する道徳的レジリエンスを発揮する様式と発揮するための因子を明らかにすることである。初年度の令和４年度は、国内外の文献にて、子どもを対象とする看護師のレジリエンスの概念分析を行った。国内文献は、医学中央雑誌Web版を用いて、最新10年間とし、「看護師」「レジリエンス」「小児/子ども」のキーワードで検索したところ、19件であった。会議録、レジリエンスの対象が看護師でないもの、文献検討を除外すると対象文献は2件となった。海外文献は、Pubmedを用いて、最新10年間とし、「nurses」「resilience」「pediatric」のキーワードで検索すると、161件であった。Title、Abstractから、子どもを対象とする看護師でないもの、レジリエンスの対象が看護師でないもの、レジリエンスの研究でないものを除外すると、38件となった。対象文献を精読中である。概念分析の方法は、Rodgers（2000）の提唱する手法を用いた。Rodgersの著書「Concept Development in Nursing: Foundations, Techniques, and Applications」（pp77-102）を確認し、子どもを対象とする看護師のレジリエンスの定義や特性を示す「属性」、概念に先行して生じる出来事を示す「先行要件」、その概念が発生した結果として生じる出来事を示す「帰結」について分析している。データ分析は、コーディングシートを用いて、文献ごとに「属性」「先行要件」「帰結」に該当すると判断される記述内容を抽出している。また、レジリエンスの属性の分析には、レジリエンスの３つの構成要因「I Have」「I Am」「I Can」を用いているが、成果には至っていない。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 3: やや遅れている理由令和４年度は、看護師のレジリエンスの概念分析を完了する予定であったが、Rodgersの手法に関する情報収集や、海外論文の精読と分析に時間を要した。また、他の研究の論文作成で、当初計画していた目標に達することが出来なかったため、「やや遅れている」と判断した。
今後の研究の推進方策	今後は、分析過程を研究者間で繰り返し分析内容の一致制を確認し、子どもを対象とする看護師のレジリエンスの概念を明らかにする。さらに、得られた概念分析の結果をもとに、ターミナル期にある小児がんの子どもを対象とする看護師に対してインタビュー調査を行い、倫理的苦悩を抱く看護師がどのように道徳的レジリエンスを発揮するのかその様式と因子について検討していく。以下のように、研究実施計画を修正し進めていく。令和５年度は、１）概念分析：子どもを対象とする看護師のレジリエンスについて分析を深め、研究成果について論文作成する。２）倫理審査の準備、インタビュー調査の準備をする。令和６年度は、１）倫理審査の承認後、インタビュー調査を行い、データ取集と分析をする。２）研究成果を検討し、論文投稿や学会発表で公表する。