研究課題/領域番号 |
22K10984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
田中 和子 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (10637135)
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研究分担者 |
吉村 耕一 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (00322248)
和氣 久美子 (木戸久美子) 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (40269080)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 在留外国人 / 周産期看護 / グローバル / 妊産婦 / 質的研究 / 在日外国人 / リプロダクティブ・ヘルス |
研究開始時の研究の概要 |
在留外国人数は増加の一途をたどり、日本で出産する外国人数の増加が予想されている。日本の周産期医療は世界のトップレベルにもかかわらず、在留外国人女性は、周産期に健康課題が多いとされている。研究代表者らは、在留外国人妊産婦が求める妊産婦主体の看護ケアを導入することが、外国人母子保健サービス向上のための有効な解決策になり得ると着想した。本研究では、在留外国人妊産婦への周産期看護の現状と課題を外国人女性の視点から明らかにする。ついで助産師への調査を行い、ケア提供者の視点から周産期看護ケアの現状と課題を明らかにする。これらの調査結果をもとに外国人妊産婦へのグローバル周産期看護ケアの提言としてまとめる。
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研究実績の概要 |
日本における在留外国人数は増加の一途をたどり、日本で出産する外国人数の増加が予想されている。日本の周産期医療は世界のトップレベルにもかかわらず、在留外国人の周産期死亡率などは日本人に比して高いことが明らかにされている。研究代表者は、在留外国人妊産婦が求める妊産婦主体の看護ケアを導入することが、外国人母子保健サービス向上のための有効な解決策になり得ると着想した。本研究では、在留外国人への周産期看護の現状と課題を外国人妊産婦の視点から明らかにする。ついで助産師への調査を行い、ケア提供者の視点から周産期看護ケアの現状と課題を明らかにする。双方の視点からの調査結果をもとに外国人妊産婦へのグローバル周産期看護ケアの提言としてまとめる。 令和4年度は、研究の初年度であり、研究者の所属する大学の生命倫理審査の承認を得て、日本で妊娠・出産経験のある在留外国人女性を対象とし、Vignettes methods(特定の状況下での対象者の行動特性を明らかにする方法)を用いてインタビュー調査を開始した。Vignettesは妊娠期、分娩期、産褥期の短い場面を設定し、シナリオを作成した。シナリオの作成は複数の研究者で行い、プレテスト後に使用した。インタビューの前に、対象者に社会的情報、医学的情報などのアンケート調査を実施した。対象者のリクルートは、語学学校や外国人支援機関に依頼し、紹介していただいたり、スノーボールサンプリングを行った。現在まで13名の外国人女性への調査が終了した。インタビュー調査の内容は、周産期の特定の状況を設定し、自分ならどうするか、自分の体験における周産期看護ケアに対する満足・不満足についてたずねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目標は以下の3つである。 目標1:在留外国人女性への調査から、彼女らの周産期の行動特性、周産期の看護ケアへの満足・不満足、また彼女らが求める看護ケアについて明らかにする。目標2:外国人妊産婦の受け入れをしている国内施設の助産師への聞き取り調査から、在留外国人妊産婦への看護ケアの意識・行動特性と課題を明らかにする。目標3:2つの調査結果をもとに、外国人妊産婦およびケア提供者の助産師の双方の視点から外国人妊産婦の健康問題と周産期看護ケアの課題を抽出し、外国人妊産婦の健康改善のための新たなグローバル周産期看護ケアの提言としてまとめる。 本研究の目標達成のため、共同研究者ともに3年間で計画1~3を遂行する予定である。 計画1.在留外国人女性への調査(令和4-5年度)計画2.外国人妊産婦受け入れ施設の日本人助産師へ意識・行動調査(令和5-6年度)計画3.外国人妊産婦への周産期看護ケアへの提言のまとめ(令和6年度)。令和4年度は研究初年度であり、計画1を開始した。計画1は、令和4~5年度にかけて行う計画であり、調査はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、在留外国人女性へのインタビューデータの分析と並行して、引き続き、数名の在留外国人女性へのインタビュー調査を実施する予定である。さらに、令和5年度から6年度にかけて、外国人妊産婦受け入れ施設の日本人助産師へ意識・行動調査を計画しており、生命倫理審査の準備を進めているところである。助産師調査の対象者は、外国人妊産婦を受け入れている施設の助産師、総計約20名程度である。面接調査は、Vignettes methodsを用いる。Vignettesのシナリオは複数の研究者で作成し、プレテスト後に使用する予定である。すべての面接調査は同意を得て録音し、逐語録を作成後、質的帰納的に分析する。同じ状況下での対象者の行動特性を明らかにし、周産期看護ケアの課題を抽出する。インタビュー前に年齢、経験年数、分娩介助例数などの簡単な調査票に記入していただく。インタビュー調査の内容は、外国人女性への周産期看護ケアの特定の状況を設定し、自分ならどうするか、また、外国人妊産婦の健康改善のために必要であると考える看護ケアなどについて問う。
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