研究課題/領域番号 |
22K10997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 宝塚大学 |
研究代表者 |
中尾 幹子 宝塚大学, 助産学専攻科, 講師 (80751122)
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研究分担者 |
木村 聡子 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (90524918)
寺田 准子 大阪青山大学, 健康科学部, 講師 (20346349)
川村 千恵子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (20281272)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 周産期喪失 / 悲嘆フェーズ / 地域生活 / 継続支援 / 看護支援モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は周産期喪失を経験した女性への効果的な看護実践のために、看護支援モデルを開発することを目的としてる。目的達成のために以下の取組を計画している。①先行研究より当事者の悲嘆フェーズと支援ニーズを明らかにし、看護支援モデル試案を作成する。②看護支援モデル試案を活用して、退院直後から社会生活に適応できるまでの期間に、看護者によるアウトリーチ型支援提供のためのアクションリサーチを実施し、適切な訪問時期や支援の中身の有用性を検討する。③女性へのインタビュー及び看護者へのインタビュー、両者のグループディスカッションなどから、看護支援モデル試案の内容を精査し省察を繰り返しながら完成を図る。
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研究実績の概要 |
周産期喪失を経験した当事者女性への長期的で効果的な看護を提供するために、周産期喪失における看護支援モデルの開発を目指した取り組みをしている。 初年度である令和4年度は、欧米の先行研究より、周産期喪失における看護支援の課題と展望を明らかにする目的で、文献検討を行った。その結果、周産期喪失ケアにおける看護支援での課題として、看護者は周産期に子どもを亡くした両親への感情的なかかわりに困難感を抱き、看護者自身のセルフケアに苦慮していること、共感疲労や構造的・人的支援・死別ケア教育の問題があることが明らかになった。その課題に対する展望として、Swansonによるケアリング理論の導入および看護者への教育的継続支援が有用であることが明らかになった。 並行して、研究者らが考案した「周産期における悲嘆フェーズ」の検証を行うために、周産期喪失を経験した当事者女性を対象としたケアニーズ調査での分析および考察を行った。この分析においては、当事者女性の悲嘆過程での心情変化から必要な支援のあり方を検討することはできたが、悲嘆フェーズの検証までには至らなかった。しかし、喪失直後の当事者女性にかかわる医療関係者の言動は、その後の悲嘆過程に大きく影響していることから、喪失直後の看護ケアの質の向上が重要であることが明らかになった。一方で、周産期喪失にかかわる医療関係者も、喪失後の両親へのケアについて困難感を抱いていることに対する方策も急務である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
諸般の事情から、初年度当初に共同研究者の変更があり、研究開始のタイミングが大幅に遅れたことは1つの大きな要因となった。さらに、各研究者とも時間調整が効果的にできず、本研究のための時間確保に難しさを感じた初年度であった。しかし、令和5年度は定期的な科研ミーティングを設定し、時間の確保に努めながら進めていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究において、周産期喪失に関連する文献や事例から、悲嘆フェーズの検証を行うことが困難であると判断した。そのため、今後は災害支援研究におけるフェーズを参考にして検証を進め、周産期喪失支援に活用したいと考えている。 また、周産期喪失の定義として、妊娠初期の流産や何度も流産を繰り返す不育症を含めて捉える必要があるのではないかと考えるため、この分野に詳しい研究者からの助言を得ていきたい。 Swansonによるケアリング理論の検証も引き続き行い、今年度半ばには看護支援モデル試案を完成させたいと考えている。さらに、同時進行で、周産期喪失に関わる支援者を対象とした事例検討会を定期的に開催し、そこに参加予定の支援者に対し、看護支援モデル試案を提示していきたいと考えている。さらに、その看護支援モデル試案の活用のための学習を深め、各臨床でのモデル試案による実践を依頼していきたい。そのために、所属機関における研究倫理審査申請の準備も進めていく必要があると考えている。
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