研究課題/領域番号 |
22K11001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
矢郷 哲志 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (00778243)
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研究分担者 |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (20285448)
幸本 敬子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (80778960)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 父親 / ペアレンティング / 育児支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、第1段階として、2歳から11歳の子どもを持つ父親のペアレンティング及び精神保健の実態と、それらに関連する要因を全国調査から明らかにする。第2段階として、調査結果を基に、小人数制のグループセッションで構成される父親のペアレンティングに焦点を当てたピア主導型オンライン育児支援プログラムを開発する。第3段階として、2歳から11歳の子どもを持つ父親に対して育児支援プログラムを用いた介入研究を実施し、父親のペアレンティング、精神保健、児の社会情緒的発達に及ぼす効果を検証することを目的とする。
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研究実績の概要 |
2023年度は、Empowering Parents Empowering Communities(EPEC)プログラムの収集済みのデータ(n=6)の結果を分析し、国際学会(The 18th WAIMH World Congress, Dublin, Ireland)にて公表した。分析の結果、対象者全員が全てのセッションを受講し(Completion rate 100%)、対象者全員が「EPECプログラムが前向きな子育てを理解するのに有用であった」と回答した。また、対象者の80%がプログラムの内容に満足し、「プログラムで学んだことを自身の子育てに活かしたい」と回答した。親のParenting Styleについては介入前、介入後、介入1カ月後の3時点で得点を比較し、Laxness、Overactivity、Totalのいずれにおいても、有意ではないものの、得点が低下する傾向が認められた。子どもの社会-情緒的、行動上の問題の程度については、3時点で有意差は認められなかったものの、「情緒の問題」「多動/不注意」においては、介入後に得点が低下した。親の育児ストレスについては、「親役割によって生じる規制」「社会的孤立」において、介入後に有意な得点の低下が認められた。親の抑うつについては、3時点で有意差は認められなかったものの、介入後に得点が低下する傾向が認められた。以上より、日本版EPECプログラムは、日本の親子、日本の育児文化にも十分に適応可能であり、親の養育スタイル、育児ストレス、抑うつ傾向が改善する可能性が示唆された。次年度以降、サンプル数をさらに拡大して、介入効果の実証を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介入研究については、既に収集済みのデータを分析し公表したこと、オンライン(オンデマンド)教材として使用する動画教材の翻訳、教材作成に時間を要したことなどから、進捗がやや遅れる状況となった。また、横断研究については、既存研究のレビュー、概念枠組み・アウトカムの整理、研究方法(Web調査)の検討に時間を要したことから、研究の実施に至らなかった。横断研究については、研究計画の立案が完了しており、2024年度は研究遂行を推進していく。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、横断研究、介入研究の双方を並行して遂行していく。横断研究では、父親のペアレンティングに関連する要因と、父親のペアレンティングや育児関与が仕事に及ぼすSpillover効果について検討する研究(Web調査)を遂行する予定である。また、介入研究においては、日本版EPECプログラムの実践を2024年度内に2~3グループ(1グループ10名程度)を目標に実施していく予定である。
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