研究課題/領域番号 |
22K11011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
池田 麻左子 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (10870339)
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研究分担者 |
田中 範佳 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40707337)
堀 芽久美 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (20735732)
山下 早苗 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (40382444)
市原 真穂 千葉県立保健医療大学, 看護学部, 教授 (70736826)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 重症心身障がい児 / ケア / 客観的評価 / 生体反応 / 心拍数 / 呼吸数 / 非接触デバイス / 小児 / 非接触型測定デバイス / 看護ケア / 看護実践判断能力 |
研究開始時の研究の概要 |
重症心身障がい児(以後、重症児)の意思疎通の問題は、臨床における看護ケアの評価や、最適な看護ケアの思考においてしばしば議論となる。重症児の看護ケアの効果を評価することは非常に重要であるにも関わらず、児の表情や動作で判断せざるを得なく、経験を頼りにしている現状がある。そのため、十分な経験を有しない看護師や初学者にとって適切な看護ケアの実施は非常に困難であり、時として児の負担となることが問題となる。本研究課題では、重症心身障がい児を対象に、看護ケアに伴う生体反応を非接触な状態で測定できるデバイスを開発し、看護ケアに伴う生体反応のフィードバックによって看護ケアが改善するかについて検討することとした。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、重症心身障がい児(以後、重症児)の看護ケアにおいて、看護ケアに伴う生体反応を非接触で測定できるデバイスを用いることによって、重症児看護の質の向上を目指すことである。 健常な小児に比べ重症児は、自分の意思を他者へ言語的に伝えることが困難な特性があり、重症児に関わる他者は重症児の意思の読み取りにくさがある。そのため重症児に関わる看護師は、重症児の意志を推測的に理解しケアを実施せざるをえない状況にあり、不安や葛藤を感じている。特に重症児の在宅生活においては、病院や施設と比べ医療的機器が乏しく、複数の看護師が同時に苦痛緩和や安全を配慮するための行動にしにくいため、対応する看護師の推測的な判断(アセスメント)を客観的に裏付ける指標が望まれている。 意思の確認が難しい対象の苦痛やストレスの状態を反映する方法は、いくつか報告されている。これらは、客観的に評価できる方法として有用であるが、侵襲を伴う方法でもあり、身体への接触に敏感に反応を示す重症児の特性や身体的な負担を配慮した活用としては検討が必要である。そこで、重症児の特性を踏まえ身体的な侵襲を回避し、かつ日常的に活用できる方法として、身体に非接触で生体反応を測定できるデバイスを用いた方法を考えた。 成人を対象にした先行研究において、生体反応を非接触で測定できるデバイス(以下、非接触デバイス)の有用性が検証されている。小児への有用性と妥当性を検証することによって、重症児への活用ができると考え取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、研究対象者が小児であることを重視し、倫理的側面や研究に用いるデバイスの選択、研究対象者への倫理的側面に配慮した研究方法など、研究対象者の特性に見合った研究計画について、研究組織のメンバーで会議を重ね検討する時間を費やした。 並行して、在宅で行われている重症児のケアやその評価方法に関する現状について、文献検討によって整理し、研究の意義を深めた。 現在、研究対象者となる小児の人権を厳守した研究計画であることへの承認を得るために所属施設の研究倫理審査を申請している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、研究開始許可が得られ次第、速やかに研究を開始していく予定である。 研究対象者のリクルート時期、研究に必要な物品の納期に見合ったスケジュールを検討し、研究組織メンバーが役割を担うために必要な環境を整える。 予備測定として、研究対象者が小児であることへの特性を加味した測定具の選定、研究実施者(研究代表者)が研究対象者の最善の利益となるよう短時間で手際よく実施するための研究手順を習得する。 研究協力者がは学童期も含まれることを考慮し、研究協力者の日常生活に支障を来たしにくい夏休みや冬休みに集中的に研究協力が得られるように研究スケジュールを検討する。 2024年度は、研究データの解析や分析をする 以降、学会発表および論文での公表による成果報告に取り組む予定である。
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