研究課題/領域番号 |
22K11031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤田 和佳子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (10732753)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 胎児心拍数モニタリング / 実装研究 / 助産師 / ザンビア / 分娩監視装置 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ザンビア国ルサカ市の帝王切開術が可能な病院において、助産師が行う胎児心拍数モニタリングの質向上のための要因を明らかにすることを目的とする。現在は、ピナード式聴診器を用いて間欠的聴診を行っているが、必要な産婦にCTG(Cardiotocogram:分娩監視装置)を装着するハイブリット方式へ転換することを試みる。研究年度1~2年目に助産師を対象にした質問紙調査を行い、障壁因子・促進因子の同定を行う。3~4年目は、分析結果に基づいた戦略を立て、モデル病院1か所でハイブリット方式を実践する。また、その方略が出産アウトカムを改善するかを検証する。
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研究実績の概要 |
8月に研究協力者のCathaline Ngoma氏と研究計画について討議し、ザンビア大学医学系研究倫理委員会に提出するための研究計画書を作成した。また、研究協力者のCharity Mwango氏およびザンビア助産師協会のKennedy Mwila氏と助産師に対する胎児心拍数モニタリングの知識、意識およびモチベーションを測る質問紙を作成した。質問紙は、研究計画書に記載した概念枠組みで用いたImplementation Research Logic Modelの「決定因子」である内的環境、外的環境、個人の特性の項目に対応する質問項目とした。対象者は、ザンビア助産師協会に所属する助産師とし、オンライン調査の方法で行うこととした。現在、倫理審査の申請が可能な段階まで準備ができた。 ザンビア助産師協会から入手したザンビアの週間MPDSR統計によると、新生児死亡(ND)は75件、新生児死産(FSB)は35件であった。75人の新生児死亡(ND)のうち、30人(40.0%)は出生時の呼吸障害が原因であり、35人の新生児死産(FSB)のうち14人(40.0%)は原因不明の出生時低酸素血症が原因であった。これらの死亡は、質の高いモニタリングによる早期発見によって防ぐことができ、本研究の意義を裏付けるものである。ザンビアのルサカにある2次および3次レベルの病院では、助産師による胎児モニタリングのためのCTGの利用が多面的な課題に直面していることが助産師協会への聞き取りにより明らかになった。これらは、助産師教育プログラムにおける包括的なCTGトレーニングの欠如、卒業後のCTGに関する研修の未整備、入院時のCTG開始と解釈に関する標準化されたガイドラインの欠如、国の妊産婦・新生児搬送ガイドラインにおけるCTGの未記載が含まれる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度および2年目は、胎児心拍数モニタリングの質改善に向けて、助産師への質問紙調査を行い、決定因子の同定を目標としていたが、倫理審査の申請手続きが遅れており、調査の実施ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
早急に研究計画書を倫理審査に申請し、年内に現地における質問紙調査を実施する体制を整える。研究計画では、胎児モニタリングの質の改善のための方略を考え、実装し、評価するまでを考えていたが、現在の進捗状況では実装までは難しい。そのため、モニタリングの質を低下させている要因の分析に焦点を当てる。今年度の質問紙調査に加え、あらたに、産婦人科医師、助産師協会、助産教育機関の教員、保健省などへのインタビューによる聞き取りも追加し、課題の構造を明らかにし、実装の方略を提案できることを目標とする。
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