研究課題/領域番号 |
22K11061
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
三部 倫子 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (70639012)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | LGBTQ / 家族看護学 / 医療社会学 / 家族社会学 / 質的調査 / 看護研修 / 家族の多様性 / SOGIE |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、看護師と患者との間の相互関係を考察する社会学の視点にたった実態調査により、看護師の変化・成長過程を把握する。さらに、性的マイノリティを対象に、かれらの看医療での経験を聞き取り、医療・看護サービス提供側と享受側の齟齬の解消を目指す。本研究の最終的なゴールは、これらの調査知見に基づく現職看護師向けの研修を考案し、看護師の職業人としての成長を促すことにある。看護職を介して、多様な患者の医療・看護を受ける権利の保証を目指す独創的かつ、社会的に意義の極めて高いものである。
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研究実績の概要 |
本研究プログラムの目的は、家族への看護実践にてニーズの高い、性と家族の多様性を踏まえた研修プログラムを、看護師をはじめとする医療従事者と患者への実態調査から考察することにある。1年目の研究計画は、LGBT患者の担当経験がある看護師へのインタビュー調査であった。 調査を実施する前に、LGBTの家族に関する家族看護学の英語圏の研究を整理・検討し、査読つき投稿論文にまとめた。この論文では「一般的な家族」では捉えきれないLGBTの患者とその家族双方が医療機関で適切な医療・看護を受けられていないこと、医療現場におけるカミングアウトの困難とそれをサポートするための手段、現職看護師がLGBT患者のために採用しうる実践などを明らかにした(影山・三部2022「家族看護学におけるLGBTと『家族』――総説・レビュー文献の検討から」『日本保健医療社会学論集』33(1))。 さらに、性の多様性をふまえた医療体制づくりに取り組んでいる医療機関の事例(インタビューは前年度に既に実施済み)を査読付き投稿論文にまとめた(三部・影山2023「医療機関で性的マイノリティはいかに包摂されうるか――公立病院と診療所での『家族等』の取り組みを通して」『保健医療社会学論集』34(1)掲載決定)。 1年目はこれらの論文作成を通じ、次の3点を達成することができた。1)LGBT患者の担当経験がある看護師がどのような葛藤を抱えやすいのか、それをどう乗り越えたり、切り抜けているかをたずねる質問項目の基盤づくり、2)日本国内での医療機関の規模や診療内容に応じたLGBTを包摂するための柔軟な取り組みの把握、3)現職看護師向け研修プログラムへ応用可能な医療機関の事例収集。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー実施前の関連先行研究の精読と事例研究を通じて(成果:査読付投稿論文2本)、次年度以降の現職看護師を対象としたインタビューと、研修プログラム作成にむけた基礎的な準備を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現職看護師でLGBTの患者を担当したことのあるインフォーマントを募集し、看護実践での葛藤とそれへの対処法について、インタビューを実施する(研究代表者による休業を挟んだためインタビュー実施は2024年度以降を見込んでいる。なお、研究期間の延長を申請する予定である)。
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