研究課題/領域番号 |
22K11062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
土江 梨奈 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (60760494)
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研究分担者 |
神田 秀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (80294370)
福田 誠司 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (30273147)
中島 千惠 京都文教大学, こども教育学部, 特任教授 (20309107)
柏木 智子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90571894)
久松 隆史 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60710449)
福田 茉莉 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70706663)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 外国にルーツ / 子ども / 多文化共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、 外国にルーツをもつ子どもへの参与観察、インタビュー調査、質問紙調査を実施し、子どもたちの健康問題を明らかにする。保護者にも質問紙調査を実施し、家庭環境が健康状態と関連するかを明らかにするとともに、外国にルーツを持つ子どものヘルスリテラシーに影響するものは何かを明らかにする。これらの調査結果を反映したアクション・リサーチによる学校、自治体、地域組織が連携したヘルスリテラシー向上を目指したシステム構築を行う。このシステム構築によって、次世代を担う子どもたちの心身の健康を育み、健全な多文化共生社会を構築する一助とする。
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研究実績の概要 |
外国にルーツを持つ子どもの生活を支えている保護者と居住支援者へのインタビューを実施し、子どもの抱える健康問題を明らかにする調査を行った。保護者を対象としたインタビューからは、子どもの「遊び」に関する不安感を持つ語りがみられ「自由な空間で遊ばせてよい場所がわからない」などの情報の少なさがみられた。居住支援者のインタビューからは支援をするにあたっての困難感、子どもの身体的、精神的な問題等、また支援をするときに配慮していること等の語りを得た。プライバシーの問題や文化の理解という内面的な要素を持っているケースが多く、支援者の関わり方は大きなハードルがあることが明らかとなった。支援者の立場により、異なる困難感もある一方で、共通したものもある。支援者同士のつながりの重要性についても語りがみられた。 これらの調査を受けて、研究の主要研究機関である大学の近辺のボランティアと連携し、外国にルーツを持つ子どもの放課後や休日の居場所づくり「こどもサポートプロジェクト」を開催している。母語を自由に使ってよいこと、自由な活動を中心とし、子ども自身が学校教育とは違う環境において自由に過ごせる空間を目指している。学生ボランティアの派遣を中心とし、研究フィールドの継続維持に努めている。また、子どもと関わる上で、本研究者自身が、国際的心理プログラムを取り入れ、スクールカウンセラーとして子どもと関わりながら参与観察をしている。 さらに健全な多文化共生社会に視点を置き、「多文化ひろば」という支援者グループを形成した。この支援者グループで、地域住民が集まり、支援者の在り方を考える会を月に1回開催、だれでも参加できる多文化共生のイベントを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の主要研究機関である大学の近辺のボランティアと連携し、外国にルーツを持つ子どもの放課後や休日の居場所づくり「こどもサポートプロジェクト」を実践し、研究フィールドの継続維持に努めている。また、地域での居住者同士でつながりを目指したイベントの実施を行い、その中から外国にルーツを持つ子どもや家族の健康問題やヘルスリテラシーに関する問題点を明らかにしようとしている。 インタビューは、支援者と保護者へ実施しており、その中の語りをもとに実践へと繋げている。また、子どもへの参与観察も行っているが、この実践からの分析については、学会等への発表がなされていないので今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
インタビューや参与観察をもとに、子どものヘルスリテラシーを高める要因は何かを探ってきている。また、実践を重ね研究フィールドの構築も盤石なものとなりつつある。しかしながら、この実践の分析についてはなされておらず、今後の課題ともいえる。また、当初予定していた質問紙調査については実施されておらず、今後実施していきたい。
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