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母親の抱っこ時の身体不調を予防するための遠隔姿勢評価・支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11064
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58070:生涯発達看護学関連
研究機関佐賀大学

研究代表者

佐藤 珠美  佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (50274600)

研究分担者 福田 修  佐賀大学, 理工学部, 教授 (20357891)
山口 暢彦  佐賀大学, 理工学部, 准教授 (80363422)
中野 理佳  佐賀大学, 医学部, 准教授 (80588707)
坂本 飛鳥  西九州大学, リハビリテーション学部, 講師 (90758715)
YEOH WEN・LIANG  佐賀大学, 理工学部, 助教 (10898092)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード産後 / 抱っこ / 不良姿勢 / 身体不調 / 予防 / 遠隔姿勢評価 / 支援システム
研究開始時の研究の概要

約64万人の母親が抱っこ等の不調に苦しんでいる。産後急増する腱鞘炎等の問題と育児が関連しているのは明らかである。不調の慢性化は育児困難に繋がるが、多くの母親は子ども優先で放置している。母親自身が抱っこ等の不適切な姿勢に気づき、これを改善することが求められるが、このようなツールはない。そこで本研究では、母親自身で抱っこ時の身体不調をチェックし、予防するための遠隔姿勢評価・支援システムを開発する。

研究実績の概要

不良姿勢と身体不調との関連の検討では、産後1~3か月と4~6か月の母子29組(初産婦18名、経産婦11名)を対象とした。抱っこでの悩みは22名が有りと回答し、1日5時間以上の抱っこが10名あった。抱っこでの困り事では「のけ反る」が19名と最も多かった。健康関連SF-8では、標準スコアリング方法に基づき8つの下位尺度得点とサマリースコアを算出した。8つの下位尺度の中央値はBPが37.1、GHが43.0、VTが47.4、RPが47.8、PFが48.7、REが49.0の6項目で、サマリースコアではPCSの44.7が、国民標準値50点未満を示した。Hand20の総スコアでは上肢機能障害が疑われる13.1点以上が11名(37.9%)あった。各関節・筋肉痛のスコアとSF-8のBPスコアの関連について検討し、肩関節痛(ρ=-0.50),手首関節痛(ρ=-0.42)、頸周囲筋肉痛(ρ=-0.45)、肩筋肉痛(ρ=-0.50)、合計点(ρ=-0.64)が有意な関連があった。抱っこしない時の基本姿勢がノーマルだったのは13名あったが、1名を残し、横抱き、縦抱きで不良姿勢に変化した。妊娠期からの姿勢悪化に加え、抱っこでの不良姿勢と抱き方が上半身の不調を招いたと思われる。
また、抱っこ姿勢判定アプリの開発について、2023年度は専門家による母子29組の抱っこ姿勢画像のアドバイスデータ収集を行った。更に、収集したアドバイスデータを基にモーションキャプチャー技術BlazePoseとスマートフォンを用いた抱っこ姿勢判定アプリ「AI抱っこ」の開発・精度検証を行い、検証結果について学会発表を行った。
2024年度は、抱っこ姿勢画像のクラウド収集システムを開発し、抱っこ姿勢画像の収集を重ね「AI抱っこ」の精度向上を図る。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

課題3の不良姿勢の遠隔評価・支援方法の開発に入る前に、課題1の不良姿勢と身体不調との関連の検討において、AI判定の精度を上げるために、不良姿勢と判定した根拠の形式知化を十分に進めることとした。また、アプリの実証を進めるなかで、経産婦も対象とする必要性、調査過程で専門家であっても抱っこでの不良姿勢は仕方がないものと考えている人が少なくなく、専門家や子育て支援者を含めた研究が必要であることが明らかになった。他に新型コロナの感染の散発、季節性インフルエンザの流行などもあり、調査のタイミングが難しかった。

今後の研究の推進方策

1)横抱きの姿勢判定のアプリを開発する。
2)抱っこの姿勢判定アプリでは、母の骨格に児の情報を加え、判定の精度を高める。
3)ひとつの町の協力を得て、母子50組を対象に、AI抱っこ姿勢判定アプリを用いて、生後2ヶ月健診、生後4ヶ月健診、生後6ヶ月でのフォローアップ、計3回の縦断調査を行うととに介入効果を検討する。加えて、子育て支援者を対象に、AI抱っこ姿勢判定アプリを活用した教育法を開発する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Baby-Holding Posture Determination System using Pose Estimation2023

    • 著者名/発表者名
      Yuki Matsunaga, Koki Nakano, Nobuhiko Yamaguchi, Osamu Fukuda, Hiroshi Okumura, Wen Liang Yeoh, Tamami Sato, Rika Nakano and Asuka Sakamoto
    • 学会等名
      The 13th International Workshop on Networking, Computing, Systems, and Software (NCSS)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] k近傍法を用いた抱っこ姿勢の不良姿勢判定システム2023

    • 著者名/発表者名
      中野功輝,松永勇樹,山口暢彦,福田修,奥村浩, Yeoh Wen Liang,佐藤珠美
    • 学会等名
      第39回 ファジィシステムシンポジウム/FSS 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 姿勢推定を用いた抱っこの不良姿勢判定システム2023

    • 著者名/発表者名
      松永勇樹,中野功輝,山口暢彦,福田修,奥村浩, Yeoh Wen Liang,佐藤珠美
    • 学会等名
      第39回 ファジィシステムシンポジウム/FSS 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 産後の母親が抱っこ時に感じる困りごとと姿勢との関連2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤珠美、坂本飛鳥、中野理佳
    • 学会等名
      第64回日本母性衛生学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 深度カメラと姿勢推定を用いた抱っこの不良姿勢検知システム2022

    • 著者名/発表者名
      中野 功輝, 山口 暢彦, 福田 修, 奥村 浩, 佐藤 珠美, 中野 理佳
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 姿勢推定を用いた抱っこの不良姿勢検知システム2022

    • 著者名/発表者名
      松永 勇樹, 山口 暢彦, 福田 修, 奥村 浩, 佐藤 珠美, 中野 理佳
    • 学会等名
      ロボティクス・メカトロニクス講演会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 抱っこ時の母子姿勢研究

    • URL

      https://www.midwifery.med.saga-u.ac.jp/cuddle_study/982.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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