研究課題/領域番号 |
22K11090
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 群馬県立県民健康科学大学 |
研究代表者 |
鈴木 美雪 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (90554402)
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研究分担者 |
佐々木 馨子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (20334104)
大澤 真奈美 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (50331335)
飯田 苗恵 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (80272269)
宮崎 有紀子 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 教授 (00251190)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 難病 / 保健活動 / 安全管理 / 評価尺度 / 保健所保健師 / 在宅人工呼吸療法 |
研究開始時の研究の概要 |
「生きるために」人工呼吸器を装着した在宅難病療養者において、専門職のケア提供時間外に後遺症や死亡などの重大な事故の発生が報告されている。事故は、療養生活を見守る介護態勢が要因と推測され、在宅での事故防止には、難病療養者を支援するケアチームでの対応が求められる。このケアチームの調整機能を担うのは保健所保健師であるが、難病担当保健師は、感染症等の即時対応業務との兼務や難病療養者支援の経験のない者が担当する場合も少なくない。本研究は、全ての難病担当保健師が、この活動を効果的に実践することを目指して、在宅人工呼吸療法中の難病療養者の安全管理における保健所保健師の活動自己評価尺度を開発することである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、在宅人工呼吸療法中の難病療養者の安全な療養生活に向けて、保健所保健師が安全管理として取組むべき活動の実践状況を測定するための「在宅人工呼吸療法中の難病療養者への保健所保健師の安全管理自己評価尺度(以下、保健所保健師のHMV(Home mechanical ventilation)安全管理自己評価尺度)」を開発することである。 令和4年度は、開発する尺度の概念の明確化及び尺度原案の作成、本調査を実施した。 開発する尺度の概念の明確化では、「在宅人工呼吸療法中の難病療養者の安全管理における保健所保健師の活動」について、既存の看護モデル(「The Intervention Wheel」)を適用し、医療や看護分野で規定されている「安全管理」の定義を取り入れ、明確化した。次に尺度原案の作成では、構成概念に合致する保健活動を先行研究より抽出し、アイテムプール(約85項目)を作成した。その後、専門家会議、10人の専門家によるパイロットスタディを経て、51項目の尺度原案を作成した。専門家会議及びパイロットスタディの協力者には、難病保健活動の実践者及び研究者を中心に依頼し、現在の保健所保健師の安全管理活動の実状を反映した尺度原案になるように努めた。本調査は、全国の保健所保健師を対象に令和5年2月~3月にかけて実施した。本調査では、信頼性の検証のために、再テスト法を実施した。 以上のような信頼性・妥当性の検証の過程を経ることで、信頼性・妥当性を確保した尺度開発が可能となる。また、信頼性・妥当性の検証を経ることで、最小限の質問項目で安全管理活動の実践状況が評価できる測定用具が開発できる。さらに、自己評価が、自身の活動を査定し改善する一連の行動であることから、本尺度の活用により在宅人工呼吸療法中の難病療養者への安全管理活動の改善が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和4年度の計画は、当初、開発する尺度の概念を明確化し、専門家会議及びパイロトスタディを経て尺度原案の作成までを目標とし、本調査は、令和5年度に実施することとしていた。しかし、令和4年度中に尺度原案の作成だけでなく、本調査も実施できる見込みが立ち、予算についても前払い請求が承認され、令和4年度中の令和5年2月~3月にかけて本調査が実施できた。以上より、当初の計画以上に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題について、研究の遂行が当初の計画以上に進展している。したがって、計画を以下のように早めて遂行する。 当初の計画では、令和5年度は本調査を実施する予定であったが、すでに令和4年度中に本調査が実施できたので、令和5年度は、令和6年度に予定していた調査結果の分析を行い、「在宅人工呼吸療法中の難病療養者への保健所保健師の安全管理自己評価尺度(以下、保健所保健師のHMV(Home mechanical ventilation)安全管理自己評価尺度)」を作成する。分析方法は、項目分析(天井・床効果、G-P分析、I-T相関、クロンバックα係数)、信頼性の検討(内的整合性:クロンバックα係数、安定性:再テスト法)、妥当性の検討(内容的妥当性、基準関連妥当性:公衆衛生基本活動遂行尺度との相関、構成概念妥当性:探索的因子分析・確認的因子分析・既知グループ法)とし、統計解析ソフト(SPSS ver. 28.0 for WindowsおよびAmos ver.28.0)を使用する予定である。 令和6年度は、令和7年度に予定していた学会等での研究結果の発表及び論文投稿を行う。 令和7年度には、研究成果の還元として、全国の保健所(470か所)に作成した「保健所保健師のHMV(Home mechanical ventilation)安全管理自己評価尺度」を送付する。
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