研究課題/領域番号 |
22K11130
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 客員教授 (30621726)
|
研究分担者 |
鈴木 江利子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (10805443)
榎本 佳子 順天堂大学, 保健看護学部, 准教授 (20637102)
酒井 太一 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (50363734)
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (60637106)
近藤 ふさえ 順天堂大学, 保健看護学部, 客員教授 (70286425)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 在宅看取り / その人らしい生き方 / その人らしい逝き方 / ACP導入 / ACP多職種連携協働 / 多死社会 / IPEモデル / 退院支援学習尺度 / 地域包括ケアシステム / ICTデジタルテクノロジー / Withコロナ時代 / IPE/IPW / ICT活用デジタルテクノロジー / ACP在宅看取り / ナイチンゲール在宅看護理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は地域住民のコミュニティケア連携教育IPEと専門職者連携協働IPWシステムで構成し、対象は地域住民と医療福祉専門職者等であり、看護大学を拠点にICTデジタルテクノロジーを活用したIPE/IPW地域包括ケアシステムの構築を目指す。Withコロナ時代に最期まで自分らしく生きるための病院の入退院支援を含む在宅療養移行支援から、在宅医師、訪問看護師、ケアマネジャー、介護職、リハビリ職等医療福祉専門職者がオンライン診療で連携協働する在宅看取り多職種連携デジタル協働システムの検証および将来展望を目的とする。
|
研究実績の概要 |
2023年度の研究計画に基づき、オンライン診療・ACP導入を含むICT活用「在宅看取り」事例について、病院の入退院支援を含む在宅移行支援から「在宅看取り」医師、見取りに関わっている訪問看護師およびケアマネージャーにIPW「在宅看取り」に関するインタビュー調査を行なった。QOL(Quality of life:その人らしい生き方)/ QOD(Quality of Death:その人らしい逝き方)の実際についてインタビューし、医療福祉専門職のACP連携協働(IPW)について質的記述的研究方法により検証した。またwithコロナ時代を経て、WEB会議システムを利用した多職種検討会や介護連携情報システム活用によるICTシステムが多職種間における「情報共有の質」にどのように影響しているかについても検証した。昨年の看護大学を拠点としたコミュニティケアIPE(Interprofessional education:多職種連携教育)の研究結果と合わせて、看護大学を拠点としたIPE/IPW地域包括ケアシステム構築を目指す。 2025年問題と言われた多死社会はもう既に始まっている。「最期は自宅で」という日本人のその人らしい生き方および逝き方は、依然として実現できていない。病院中心医療の60年間で、死はタブーとなり、死亡場所は自宅から病院へシフトした。未曾有の超高齢多死社会の現代日本において、死は避けられない日常である。その人らしい生き方(QOL)およびその人らしい逝き方(QOD)を実現するためのACP導入「在宅見取り」により終末期医療・看護の在り方を根本から見直す契機としたい。死をタブーとしないQOD(Quality of Death)という日常のなかの「看取り概念」の普及に貢献したい。その人らしい逝き方(QOD)の追求は、最終的に人類の安寧に寄与すると考える。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度の研究計画に基づいた倫理審査申請書において、QOD(Quality of Death:その人らしい逝き方)の実際というところの理解がなかなか得られず、研究倫理委員会の承認を受けるまでにかなりの時間を要してしまった。また私自身が2023年度中に本学を定年退職となったために、事務機器類の返却や研究室の引き上げ、およびパソコンの償却や仕様の変更などにより、事務作業に時間がかかってしまい、客員教授となるまでにも日数がかかり、さらには退職行事と重なり、時間が取れず、計画通りに研究を進めることができなかった。実際にパソコンを返却してしまったために、これまでいつも分析に使用していたテキストマイニングソフト等の分析ソフトが紛失してしまい、今後の研究に支障がでることは必至である。分析方法もソフトを活用できないために、手作業にて地道に行なわなければならないためにさらに時間がかかってしまうことが予想される。 また縁故法を用いて医師、訪問看護師、ケアマネジャー3名から対象者選抜を始め、最終的に対象者を各5名づつ3職種15名を選定してインタビューする予定であったが、対象者は、在宅看取りに関する専門職スタッフであるため、多忙を極めており、なかなか人数の目標に到達できないまま、研究分担者との調整がうまくできずに定年退職後はインタビューも中断してしまっている。そのため本研究の進捗状況については遅れていると言わざるを得ない。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、いまだにインタビューできていない約半数の専門職者にインタビューを行う。私自身が客員教授となっても、研究統括の役割を果たすべく、研究分担者との研究会議を重ねて行ない、再分担をはかり、研究を成就させていきたい。また失った研究分析ソフトを可能な限り探索調達して再購入を果たし、取り戻していきたい。分担者と協議して必ずや研究を推進していく所存である。 この研究によって得られた実績や知見について整理し、国内外の看護系関連学会の発表や学会誌にて公表する予定である。本研究のACP導入「在宅見取り」調査により終末期医療・看護の在り方を根本から見直す契機としたい。死をタブーとしないQOD(Quality of Death)という新しい「看取り概念」の普及に貢献したいという社会への提言を現実に行っていきたい。
|