研究課題/領域番号 |
22K11138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
駒形 朋子 (阿部朋子) 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (70361368)
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研究分担者 |
佐々木 吉子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (90401356)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 看護労働力 / 看護業務 / ロボット / タスクシェア / タイムスタディー / 超高齢社会 / タスクシフティング |
研究開始時の研究の概要 |
近年看護職の役割や業務は拡大する一方だが、看護労働力は慢性的に不足している上、今後現在全体の半数を占める40歳以上の定年退職、人口減少に伴う新卒者の減少、COVID-19流行の影響による離職等により、さらなる労働力不足の深刻化が推測される。この需要と供給のギャップを埋めるためには、人口減少を見越して「自立して看護業務の一部を担うAIやロボット」に適した業務を委譲するタスクシフトが有効ではないかと考えた。本研究では、回復期・慢性期病棟での看護業務実態調査からAIやロボットへのシフトが可能な業務を明らかにし、安心で健やかな超高齢社会の実現に向けた医工連携での社会実装を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は、計画に沿って中規模病院における看護業務の実態調査を進めた。まず8~9月に東京都心部の民間病院(198床)の看護部に打診して調査協力を得、計画を相談の上11月に東京医科歯科大学統合教育機構の倫理審査委員会に審査申請し、12月に研究計画の承認を得た。COVID-19の流行状況を見ながら調査先と調査スケジュールを確定し、1月末~2月にインタビューおよび看護業務の直接観察調査を実施した。 調査内容は、①病棟看護師長への病棟および看護業務の概要、業務負担感やロボットとのワークシェアの希望に関する対面式半構造的インタビュー、②病棟看護師の日勤業務の直接観察調査である。①では、調査対象病院の全5病棟に看護師長各1名に対し、約30分のインタビューを実施した。COVID-19対応のための体制も含めた、病床数や看護職員配置、一日の業務の流れ等の背景情報を得た。負担感の大きい看護業務としては、看護記録(特にクリニカルパスの流れに乗らない個別の記録や、入退院時のサマリー等)、病室での患者の見守り、清潔ケア(清拭、入浴介助、陰部洗浄等)、処置やケアの物品準備等が挙げられた。②においては、対象者はその病棟の標準的な看護業務を自立して実施できる看護師とし、看護師長に各病棟2名の選出を依頼した。既定の勤務時間に関わらず、日勤の開始から終了までを観察した。観察した行動は40カテゴリーに分類され、記録/入力、スタッフ間での情報交換、病棟内での移動、患者との会話、医療処置が上位5つであった。ロボットに委譲したい業務としては、薬剤管理(与薬の確認・記録、配薬等)、患者の移動(ベッド⇔車いす/ストレッチャー)、補助者業務(補助者がいない場合の代替)、看護記録等が挙げられた。 今後データの分析および看護補助者業務についても調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中規模病院での調査を計画・実施し、今後引き続き同病院の協力を得てデータ収集を継続する見込みも立っているため。
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今後の研究の推進方策 |
今回の調査で、大学病院に比較し中規模病院では看護補助者の活用が進んでいることがわかった。患者に関わるケアの全体を把握し、ロボットとのワークシェアを検討する上では看護補助者業務の調査も同様に不可欠と考え、今後調査を行う予定である。 また得られたデータは順次分析し、国内外の学会において発表するとともに、産業界とも連携して、看護業務のロボットとのワークシェアの社会実装に向けた活動を進める。
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