研究課題/領域番号 |
22K11147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
津田 裕子 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (50885704)
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研究分担者 |
紺家 千津子 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (20303282)
真田 弘美 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (50143920)
大橋 史弥 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (60895861)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | おむつ / 失禁関連皮膚炎 / 皮膚障害 / 発生状況 / アセスメントツール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、高齢者のおむつ内の皮膚障害による高齢者のQOLの低下と治療費増を抑止することをねらい、革新的観察手技を用いたおむつ内皮膚障害のアセスメントツールを開発し、信頼性・妥当性を検証ことである。本研究は3段階に分けて実施する。第1段階は高齢者のおむつ内の皮膚障害の実態を明らかにする。第2段階では 高齢者のおむつ内皮膚障害の実態と、皮膚科医、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下、WOCN)の意見をもとに、おむつ内の皮膚障害について革新的観察手技を用いたおむつ内皮膚障害のアセスメントツールを開発する。第3段階では開発したアセスメントツールの信頼性・妥当性を検証する。
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研究実績の概要 |
おむつ内の皮膚にはIAD(失禁関連皮膚炎)以外にも褥瘡、スキン-テア(皮膚裂傷)、単純ヘルペス、感染症や悪性腫瘍など様々な皮膚障害が複合して起こっており、適切なケアを行うためにも、おむつ内の皮膚障害が何であるのかをアセスメントすることが重要である。しかし、これらの障害の症状は発赤・びらん・潰瘍等であるため、視診や触診のみではアセスメントしがたい。本研究の目的は、高齢者のおむつ内の皮膚障害による高齢者のQOLの低下と治療費増を抑止することをねらい、革新的観察手技を用いたおむつ内皮膚障害のアセスメントツールを開発し、信頼性・妥当性を検証ことである。 おむつ内に起こっている様々な皮膚障害を網羅した調査はなされておらず、おむつ内皮膚障害の全貌は未明であり、今年度はおむつ内皮膚障害の全貌明らかにするために、革新的観察手技を用いた実態調査を行う予定としていた。 おむつ内のアセスメントツール作成にむけての実態調査では、革新的な観察技術を用いた観察のみならず、それぞれの皮膚障害のリスク因子等も網羅した患者背景も合わせて調査する必要がある。そこで、実態調査に向けて調査予定をしている3病院において排便日誌等の情報からIAD(失禁関連皮膚炎)の罹患のある患者についてリスク因子を含めた患者背景をカルテ等から把握した。療養病床を有する一般病院の高齢入院患者120名のうちIAD(疑いを含む)を認めた高齢者は9名(7.5%)であった。9名の平均年齢は88.9歳、9名全員が日常生活自立度C2であった。8名が経管栄養にて栄養摂取していた。8名の便性が緩め(ブリストル便性スケール5~6)でありIADのリスク因子を複数有していた。7名が酸化マグネシウムなどの浸透圧性下剤を使用しており、排便ケアのための緩下剤使用が緩い便につながりIADリスクを高めていることがうかがえた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は療養病床を有する一般病院に研究者が出向き、高齢者のおむつ内の皮膚を直接観察する実態調査を行う予定であった。5月に、Covid-19が5類となったが調査研究をいただく病院は、面会時間等も限られ複数の研究者が立ち入る実態調査に踏み込めなかった。 そのため、排便日誌等の看護記録からIAD(失禁関連皮膚炎)の状況と背景について把握し、実態調査に向けての調査項目を吟味した。この結果より、リスク因子等もふまえた患者背景等の観察項目を設定中である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年8月に実態調査を行う。療養病床を有する一般病院5施設において65歳以上のおむつを使用している高齢者1000人に対し、研究の目的、方法を説明し同意を得て調査を実施する。内容は①患者の概要(リスク因子等もふまえた背景) ②おむつ内環境 ③おむつ内の皮膚に関する自覚症状 ④おむつ内皮膚の肉眼的特徴 ⑤おむつ内皮膚の生理的特徴 ⑥障害がある場合は革新的観察手技を用いた観察を行い、鑑別診断を皮膚科医に依頼する。各皮膚障害の種類と関連する因子との関係性を統計学的に検討し、皮膚障害ごとの観察視点を解明する。次に、アセスメントツール開発のためのインタビューをWOCN5名、皮膚科医5名に行い皮膚障害のアセスメント(診断)を時系列でどのように行っているのか明らかにしてアセスメントツールを作成する。
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