研究課題/領域番号 |
22K11165
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 大阪信愛学院大学 |
研究代表者 |
上田 博之 大阪信愛学院大学, 看護学部看護学科, 教授 (00203448)
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研究分担者 |
豊島 めぐみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (70773274)
田中 希穂 同志社大学, 免許資格課程センター, 教授 (40399043)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 在宅高齢者 / 要介護 / 脱水 / 熱中症 / 高齢者 / 在宅 / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
要サポート高齢者は個別性の高いサポートを必要とするが、熱中症予防に関しては自立した健康な高齢者と同様にエアコン使用や水分補給を促す一様な注意喚起に限られている。本研究では、単独高齢者世帯もしくは高齢夫婦世帯の在宅サポートにおいて熱中症の重症化を未然に防ぐために、熱中症リスクとなる居室温湿度と体水分量を連続測定してICT活用によりそれらのデータを収集する方法を確立し、さらにそれら情報と食事や着衣状況などの訪問時に収集する情報を合わせて熱中症リスクのアセスメントを行って介入する取り組みについて検討する。さらに、これらの情報を電子カルテなど医療介護情報に統合する提案を行う。
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研究実績の概要 |
増加する単独高齢者世帯もしくは高齢夫婦世帯でサポートが必要な高齢者の熱中症を防止す対策を考える。これまでの研究成果から、訪問する介護員や別居家族が軽度要介護高齢者の熱中症を予防するためには、訪問時に得られる食事や着衣行動などの情報とともに継続して測定された体重や体水分量、さらに居室や寝室の温熱環境の観察が重要である。本研究では、高齢者の滞在する居室や寝室の温湿度を遠隔監視して熱中症につながる脱水のリスクを事前に察知し、アセスメントする方策を提案する。 週1回程度の訪問サポートを受ける高齢者20名を対象に、5~9月に居室と寝室の温湿度を連続的に測定した。一部の対象者に対して、試験的にLow Power Wide Area Network(LPWN)を利用してクラウドに保存された温湿度情報を収集した。居住地域の1日の平均気温が25℃、最高気温が30℃を記録し始める6月3週目から居室や寝室の昼・夜平均室温が29℃をこえる対象者がみられた。昼・夜の平均室内温度とその変動を1週間単位でみると、居室や寝室の昼・夜平均温度29℃を超える対象者が6名みられる週もあり、注意喚起の必要性が示唆された。また、その中には平均室温の変動が極めて小さい対象者もみられ、終日高温環境に暴露されることが確認された。このような高齢者に対して介護員や家族が水分摂取や室温調整についてアセスメント・介入する方策について検討した。インピーダンス法による体水分量測定は、継続的に行ってその変化を観察することで、脱水傾向を見極める一資料となる。近年、インピーダンス法による体水分量推定機能を備えた家庭用体重計を容易に入手できる。これらの測定値をLPWNでデータ収集することを試みたが、未公開の暗号化規格によりデータ転送できるに至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染により依然訪問看護ステーションおよびサービス受給高齢者宅への訪問や調査に制限を受けた。計画対象者数には達することはできなかったが、概ね在宅要介護高齢者の居住環境の実態にふれることはできたと考える。 特別な仕様ではなく、容易に入手できる家庭用体重計のデータから脱水傾向を探る資料を得るために、数種の市販器のデータ送信機構を解析したが活用に結び付けることはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、市販の家庭用体重計の活用を模索するとともに、新たなディバイスの利用を検討する。また、すでにLow Power Wide Area Networkでデータ取得が可能になった居室・寝室の温湿度を脱水防止アセスメントに利用する方策について検討を進める。
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