研究課題/領域番号 |
22K11181
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 聖隷クリストファー大学 |
研究代表者 |
山田 紀代美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (60269636)
|
研究分担者 |
鍋島 純世 金城学院大学, 看護学部, 講師 (60634631)
小出 由美 関西医療大学, 保健看護学部, 講師 (00840563)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 難聴 / 高齢者 / 気づき / 健康教育 / 壮年期 / アウェアネス |
研究開始時の研究の概要 |
加齢性難聴は徐々に進行するため聴力の低下に気づき難いこと,さらに難聴に対するスティグマが存在し補聴器の装用を阻害していることも明らかとなっている。そこで,本研究では,難聴という加齢により誰にでも起こりうる健康課題に対して,当事者に至ってから客観的な評価により難聴を発見し対処する方法では無く,加齢の影響がでる前の対象者のアウェアネス(難聴の気づき)に着目し,成人期から自分自身で聞こえや聴力に関心を持ち,変化を感じた時には受診行動につなげるための健康教育プログラムを作成することを目指す。
|
研究実績の概要 |
2022年度においては、高齢者の難聴の気づきや難聴高齢者自身による聞こえの認識に関連する国内外の文献について2010年度以降の最新の研究を探索した。検索源として、英語論文としてPubMed、和文論文として医学中央雑誌を用いた。その結果、英語論文6件、和文2件を抽出した。それらの内容を分析した結果以下のことが明らかとなった。 高齢者の難聴の自覚を阻害する要因には、軽度の難聴(25dB以下)、一側性難聴、難聴を全く予測していない人、耳鳴りの存在があることがわかった。また、難聴の高齢者自身による自覚には良聴耳(聞こえの良い方の耳)平均聴力が30dBを超える程度、悪い条件下(人ごみでの会話、小さな声で話しかけられた時)における聞こえにくさが影響していた。高齢者の難聴に対する気づきを促すためには、その聞こえていないという状況を高齢者自身が認知する必要があり、それを促すための簡易な評価方法として米国では携帯型通信用端末装置に聴覚検査専用ソフトを装填した簡便な検査手法が思案されていた。さらにブラジルでは5段階の主観的顔評価スケールの試案が、タイではHHIE-ST(Hearing Handicap Inventory for the Elderly screening Tai)のタイ語版などが試みられていた。さらに我が国ではゲノム解析等の検査法も試案されていることが明らかとなった。 以上から、高齢者の気づきを促すためには、高齢者自身に加齢により難聴が発生しやすいこと、それによりどのような症状や状況になるのかという生活への影響を啓発するとともに、自身で簡単に検査できる方法を指導・教育することが必要と考えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究代表者及び研究分担者間のコミュニケーションも円滑であり、当初の予定通り進んでいる
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、地域の高齢者に対する難聴の気づきを促すための教育プログラム作成に向けて、地域高齢者の難聴に対する理解や難聴の自覚の有無などについて聞き取りを行う予定である。そのために、フィールドとなる地域包括支援センターへの調査対象者募集に関する依頼を始める。それにあたり所属機関及び地域包括支援センター等における倫理審査を経る計画である。倫理審査の承認を得たのちには、地域高齢者7-8名に対する調査を開始する。その結果をまとめ、難聴の高齢者がどのように難聴を受けとめるきっかけ、難聴かもしれないと気付いたきっかけなどを明らかにし、難聴の兆候およびどのように聞こえの低下を認識することが次なる行動に移行するのかなどを整理していきたいと考えている。
|