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錯視定量化を基盤とした高齢入院患者の新規せん妄予測法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K11189
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
研究機関東邦大学

研究代表者

橋本 裕  東邦大学, 看護学部, 講師 (10510810)

研究分担者 海老原 覚  東北大学, 医学系研究科, 教授 (90323013)
高田 聖果  東邦大学, 看護学部, 助教 (30932917)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード高齢者 / 認知機能障害 / ノイズパレイドリアテストパレイドリア / せん妄 / ノイズパレイドリアテスト / 錯視定量化 / 急性期
研究開始時の研究の概要

せん妄に関して、診断や重症度の定量化ツールは存在するが、せん妄の予測となるとハイリスク因子から推測する程度であり、事前に予測することは極めて困難である。そのため、錯視定量化を基盤として高齢入院患者の新規せん妄予測法を開発することが本研究の目的である。本研究で着目した錯視は、せん妄患者にみられる代表的な症状の1つである。せん妄の病態には、錯視が関与しており、その錯視を定量化することでせん妄の予測が可能になるのではないかと考えた。また、せん妄予測法を開発するにあたり、錯視定量化における予測値を検討することでより精度の高いものとなり、せん妄発症前に予防的介入ができる意義のある研究になると考える。

研究実績の概要

本研究は、レビー小体型認知症の診断に活用されている錯視の定量化が、せん妄を予測できる可能性が高いと考え、既存の検査ツールである錯視定量化法(ノイズパレイドリアテスト:以下、NPTとする)から、せん妄発症の予測法を開発することを目的とした。現在まで、本研究に同意を得られた全対象者は118例だった。そのうち22例は、除外基準に該当しため分析対象から除外した。分析対象者は、96例となり、そのうちDeliriumScreening Tool(以下:DSTとする)陰性群は59例、DST陽性群は37例(陽性率=38.4%)であった。対象者の平均年齢は、83.2±5.9歳、MMSE-Jの平均は18.2±4.8点、NPTにおいてパレイドリアの平均枚数2.3±3.1枚であった。DST陰性群とDST陽性群の2群間において、使用薬剤、NPT、認知機能、血液データなどの項目をもとにロジスティック回帰分析を行った。さらに、ROC曲線からカットオフ値を算出した。ノイズパレイドリアテストの合計枚数、カリウム値、ベンゾジアゼピン受容体作動薬の使用が、せん妄の陽性率と関連していた。オッズ比(CI)はそれぞれ1.253(1.042-1.508)、0.441(0.189-0.965)、2.897(1.097-7.616)であった。また、ROC 解析の結果、AUC=0.737、NPTによるせん妄を判別するための感度は83.8%、特異度は59.3% であった。以上の結果から、NPTはせん妄の予測因子とし有望であることが示唆された。NPTの合計枚数に有意差を認めたため、DST陽性群においては、パレイドリアが存在するということが示唆された。これまで、せん妄における知覚障害を早期に検出するための手段は存在しなったが、本研究によりNPTが、せん妄の症状である知覚障害を検出する可能性を示唆したことになる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度は、当初の計画以上に進捗できた。今年度は新ためて世界中の文献の系統レビューを行い、得られたデータの分析方法を再度検討した。そのため、本研究は、概ね当初の研究計画通りに進展していると言える。

今後の研究の推進方策

前回の研究の課題として、レビー小体型認知症の対象者数の少なさがあった。レビー小体型認知症の症例数を増やすことで、せん妄でもノイズパレイドリアテストが有効であることを検証したいと考えている。レビー小体型認知症の診断は複雑であるため未診断であってもレビー小体型認知症を否定することは難しい。よって多くの症例を収集することでレビー小体型認知症も増えるのではないかと考える。
今まで研究者が1人でデータ集を行なっていたが、今後は令和5年1月に加わった研究分担者の2名体制でデータ収集を実施していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Noise pareidolia test for predicting delirium in hospitalized older patients with cognitive decline2022

    • 著者名/発表者名
      橋本 裕
    • 雑誌名

      Geriatrics & Gerontology International

      巻: 22 号: 10 ページ: 883-888

    • DOI

      10.1111/ggi.14477

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [図書] 超高齢者の緩和ケア2023

    • 著者名/発表者名
      桑田美代子他
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      南山堂
    • ISBN
      9784525504717
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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