研究課題/領域番号 |
22K11205
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 真澄 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (80315522)
|
研究分担者 |
鳥谷 めぐみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (00305921)
木島 輝美 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40363709)
粟生田 友子 埼玉医科大学, 保健医療学部, 教授 (50150909)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | せん妄 / 身体拘束 / 認知症 / 急性期医療 / 現任教育 / シミュレーション / 双方向教育 / 看護師 / 予防ケア |
研究開始時の研究の概要 |
急性期医療を受ける高齢者や認知症をもつ患者は、せん妄の発症リスクが高く、転倒・転落、ルート類の誤抜去等の事故も生じやすい。また安全上の理由で身体拘束をされることが多い。これらの問題に対し、認知症ケア加算、せん妄ハイリスク患者ケア加算の診療報酬が新設され、院内のせん妄や身体拘束の予防に取り組む病院も増えつつある。その一方で中小規模の病院では、加算算定に必要やせん妄ケアシステムの導入や多職種チームの人材確保が障壁となっている。そこで本研究では、中小規模病院や認定看護師が所属する病棟における高齢患者のせん妄や身体拘束の予防ケアの質向上をめざす包括的教育パッケージを開発する。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的を達成するために、1)包括的教育パッケージの設計書の作成、2)e-ラーニング教材の作成と試行による修正、3)せん妄おび認知症事例の動画教材の作成、4)開発した教育パッケージの施行と評価の4段階で研究を遂行する。 2022年度は第1段階の包括的教育パッケージの設計書を作成するために、「せん妄」「シミュレーション」「双方向教育」をキーワードに国内外の文献検索を行い、和文献5件、英文献5件から効果的な教育プログラムの要素を検討した。先行研究では看護師を対象としたものが大半であり、医師、薬剤師を含む医療従事者や、学生ボランティアを対象とする研究も含まれた。介入方法は、講義形式、動画コンテンツ、事例検討、シミュレーション、グループ討議、ポケットガイドなどを組み合わせて実施していた。アウトカム指標は、対象者の主観的評価やせん妄ケアの知識テスト結果の向上、カルテ監査や対象者の申告による予防ケアの実践状況の改善、多職種協働実践尺度による能力向上が含まれた。せん妄発症率、インシデント件数を評価指標とする研究では、いずれも有意な効果は認められなかった。 文献レビューの結果および研究協力者である3名の認知症看護認定看護師とのディスカッションを経て、包括的教育パッケージの目的と学習目標を明確化した。目的は、急性期医療を受ける高齢者や認知症をもつ人に対するせん妄や身体拘束を予防するために看護師の看護ケア・スキルの向上をめざすこととした。E-ラーニング教材の学習目標として、①せん妄及び認知症に関する基本的知識を理解する、②入院高齢患者のせん妄リスクをアセスメントする、③せん妄リスクのある入院高齢患者の予防ケアを立案できる、④せん妄を発症した入院高齢患者の症状を軽減するためのケア(身体拘束を使用しないケアを含む)を立案できる、⑤身体拘束を解除するための取り組みを検討できる、の5点とした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、文献レビューおよび専門家会議を経て教育パッケージの設計書案が作成できた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、作成したe-ラーニング教材をクラウド型e-ラーニングシステムへ搭載する。所属大学の研究倫理委員会への申請・承認を得て、看護師を対象にe-ラーニングを試行評価し、必要な教材の修正を行う。また、シミュレーション教育に使用する事例のシナリオ作成、動画制作を行う。
|