研究課題/領域番号 |
22K11260
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
玉田 泰嗣 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50633145)
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研究分担者 |
高橋 陽助 長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (00909187)
佐々木 誠 岩手大学, 理工学部, 准教授 (80404119)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 窒息 / チョークサイン / 人工知能 / 嚥下 / 呼吸 / リスク評価 / AI / モニタリング / 摂食嚥下機能 |
研究開始時の研究の概要 |
窒息のサインであるチョークサインを示してからでは手遅れとなる場合が多い。一方で、患者の食べ方の癖を把握している看護師や家族が、患者の食事を見守ることに集中できる環境では、異変に気付き、窒息する前に対応できる場合がある。しかし、医療現場でさえ、明らかに窒息リスクが高いと判断された患者のみを見守るのが現状である。本研究ではこれまで行ってきた嚥下機能評価と呼吸の変化等を含む生体信号を学習した人工知能により窒息リスクを評価する。また、生体信号と食事場面の動作情報を計測し、生体信号の微細な変化パターンと動作解析結果を学習した人工知能が、チョークサインより早く窒息の予兆を見極める食事モニターを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、①非侵襲的に得た生体信号を用いた窒息リスク評価法の構築と②食事場面において非接触で計測した生体信号と動作解析から得られる情報を用いた窒息の予兆を見極める食事モニターの開発を目的とする。はじめに、患者基本情報として、BMI、摂食嚥下障害の有無と原因疾患、その他の全身疾患、既往歴、歯式、義歯の有無、義歯装着状況、食形態、食事摂取量、食事時間を把握し、窒息リスクの評価を行った。窒息の正しい評価には、咀嚼を含めた食塊形成、1回嚥下量、嚥下と呼吸のタイミングおよび呼気量の評価が必要である。咀嚼・食塊形成の評価には、精密検査である嚥下内視鏡検査および嚥下造影検査を行う際に、多チャンネル筋電計を前頚部に装着し、筋電計から得られる舌を含めた嚥下関連筋群の活動パターンと精密検査で得られる咀嚼・食塊形成状況の評価の紐づけを行った。一方で、窒息の予兆は、咀嚼や嚥下を含めた普段の食事場面では起きない動作、呼吸(呼吸そのものと呼吸と嚥下のタイミングの不調和)の変化、脈拍の変化、表情の変化、局所的な体温変化に分けることができ、これらのモニタリングが必要であった。そこで、嚥下時の呼吸の微細な変化を評価可能なウェアラブルデバイスを開発し計測を行った。また、最終的にはこれらの呼吸の微細な変化を非接触で捉えることが必要であり、そのための新たなデバイスの試行を行った。これらの研究成果の一部は、日本補綴歯科学会第131回学術大会のシンポジウム「AIと補綴歯科の未来」において「歯科から発信する新たな医療AI」と題して発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象となる入院している高齢患者では、患者の家族にも研究の概要説明を行ってから研究参加の同意をもらうことが多い。コロナ感染防止を理由とする患者家族の来院制限に伴い、患者家族に説明する機会が少なくなっており、研究対象者の確保を計画以上に進展させるのは困難な状況である。 一方で、装置の改良および人工知能プログラミングは順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
ウェラブルデバイスから非接触のデバイスへの変換を進め、デバイスやケーブルを外そうとする高齢者にも対応可能なシステムに向けて研究を進展する予定である。
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