研究課題/領域番号 |
22K11264
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
谷野 多見子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (80587816)
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研究分担者 |
山田 和子 藍野大学, 医療保健学部, 教授 (10300922)
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (70264877)
矢出 装子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (90896987)
上野 美由紀 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (40722898)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 休養 / 労働者 / 労働意欲 / 尺度開発 / 女性 / 尺度 / セルフチェック |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、労働者の休養の状態を複数の要素で評価する構造化された指標「休養評価尺度」を男女別に作成することである。休養を評価することは、睡眠や保健行動、余暇の過ごし方などの勤務時間内外の要素が含まれた労働者の健康状態が包括的に把握できると考える。現代の労働者の休養がとれている状態はどの様なものなのかを把握するために、インタビュー調査を実施して休養の概念を明確にし、質問項目を作成して尺度開発を行う。休養評価尺度を用いて休養に関連する要因を明らかにし休養促進要因を検討する。労働者自身が休養の意義に着目してセルフケアを高める「休養セルフチェックシート」を作成する。
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研究実績の概要 |
「休養」は、心の健康を保つための心身の疲労回復と充実した人生を目指すために重要な要素である(厚生労働省:2012)。健康日本21の休養指針では心の健康を保つために、積極的休養が必要であると示されたが、睡眠や運動・身体活動のように休養を評価する指標はなく、対象者の主観的な調査が多い。本研究の目的は、労働者の休養状態を複数の要素で評価する構造化された指標「休養評価尺度」を作成することである。 現代の労働者の働き方や意識は男女で異なり,休養の様相も違いがあると考え、まず男性労働者にインタビューを実施して休養の概念を検討することにした。男性労働者の休養がとれている状態を把握するためにインタビュー調査を実施した。その結果、『自由な時間がある』『気分の転換が図れる』『健康感が高まる』『気力や意欲が高まる』の4つの概念が生成された。これらの概念を構成する内容と文献を参考に休養評価尺度の項目の原案を作成した。 作成した休養評価尺度は、産業保健の専門家4名にスーパーバイズを受け、プレテストを実施して表面妥当性を確保した。尺度項目を用いて、労働者に対して無記名自記式質問紙調査を行った。探索的因子分析の結果,3つの下位尺度で15項目からなる尺度になった。3下位尺度は「英気の充填」「仕事への意気込み」「疲労の回復」と命名した。信頼性係数(クロンバック α)は、尺度全体が0.89で、確認的因子分析での適合度は良好な結果が得られた。尺度の併存的妥当性の検討は,健康関連Quality of life,職業的ストレス,ワークエンゲージメント,睡眠,休養の自己評価を用いた。下位尺度および尺度全体の得点は,多くの指標と相関があり、信頼性と妥当性が認められた。 作成した休養評価尺度と勤務状況や属性との関係を探索して、休養がどのようなことに関連するのかを分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
男性労働者の休養を評価する尺度が作成できた。新型コロナウィルスが5類に移行したが、事業場により感染対策は差異があり、女性が多く働く職場での調査対象の確保が難しい現状である。
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今後の研究の推進方策 |
休養評価尺度をもちいて男性労働者の休養に関連する要因を探索する。女性労働者へのインタビュー調査を行い、女性労働者が休養が取れている状態はどの様なものか、概念を検討して女性労働者の休養評価尺度を作成したいと考えている。労働者自らが休養の意義に着目して、休養行動をおこす意欲を高めるセルフチェックシートの作成にあたる。
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