研究課題/領域番号 |
22K11265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
坂本 千晶 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (00876899)
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研究分担者 |
西田 征治 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (90382382)
織田 靖史 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (50835080)
池内 克馬 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (20876883)
増田 久美子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 助教 (00907363)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 退院支援 / 認知症 / 多職種連携 / 課題 / 認知症治療病棟 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦では,認知症患者の長期入院が社会的問題となっており,地域生活への復帰を目指す退院支援が推奨されている。しかし具体的で確立された退院支援の方法は確立されていない。そこで研究代表者らはこれまで単一施設の認知症治療病棟において,事例研究・症例対照研究・前向きコホート研究を通して自宅への退院支援プログラムを開発し,効果検証してきた。本研究においては,暫定プログラムが認知症治療病棟における退院支援の実態に適応しているかを検証し,それをもとに修正したプログラムを用いた退院支援が認知症患者・家族介護者等に有用であるかを検証する。そしてプログラム社会実装のための基盤となるマニュアルを作成する。
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研究実績の概要 |
初年度は認知症治療病棟における自宅への退院支援の現状と課題を明らかにすることを目的として,筆者ら所属施設の研究倫理委員会の承認を得て実施した. アンケート回答率は34.3%であった.過去1年間に自宅から入院した者の内76.3%が自宅へ退院し,その者の53.2%は平均在院日数が90日以上であった.退院支援が非常に充実している~やや充実している「充実群」と,あまり充実していない~全く充実していない「非充実群」の2群間の比較では,介護士,公認心理師,地域包括支援センター,居宅介護支援事業所など,充実群の方が携わっている支援者が有意に多かった.充実群の自宅への退院支援の内容は,入院前・時は「情報収集」「入院生活の準備」「自宅生活の整備」など,入院中は「多職種会議による目標・情報共有」「本人・家族・多職種での協働」など,退院時・後は「会議を通した情報共有と引継ぎ」「家族や関係機関への申し送り」「退院後の継続した連携」などが挙がった.支援の工夫は「役割分担」「自宅生活の見通し」など,課題は「家族と支援者の認識の不一致」「家族の協力が不十分」「マンパワーや時間の不足」「地域連携の不足」などが挙がった.また非充実群の内,入院前・時は27.2%,入院中は23.2%,退院時・後は38.8%の施設が「支援をしていることはない」と回答し,「退院支援に関わってない」などの回答もみられた. 充実群は非充実群と比較して,多様な支援者らと連携を図っていることが明らかとなった.また充実群は,自宅生活を見据え,入院前から退院後まで継続した様々な支援を提供しているものの,家族や地域との協働,マンパワーや地域連携の不足などの課題が残っており,回答者が退院支援に苦渋している背景も伺えた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の計画通り進行している.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は昨年度の結果をもとに,暫定版退院支援プログラムを改変し,複数施設での介入研究及び効果検証を実施する予定である.すでに研究協力の意向を示す施設は募っており,夏にオンライン研究説明会を実施予定である.認知症患者及び家族,支援者らに対する成果指標を用いた量的検証,またインタビューをもとにした質的検証を行う.なお認知症治療病棟以外の医療施設における試みも検討している.
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