研究課題/領域番号 |
22K11271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
杉山 智子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90459032)
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研究分担者 |
大西 麻未 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (10451767)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 看護学 / 高齢患者 / 倫理教育 / 身体拘束 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、急性期治療を担う一般病棟における高齢患者への身体拘束低減を目指し、看護師の倫理的行動ならびに病棟全体の倫理的組織文化を見える化するシステムを組み込んだ臨床で活用可能な倫理教育プログラムを開発することを目的としている。そのために一般病棟の看護師に向けた自己倫理評価ツールや倫理教育ツールの作成、開発したプログラムの介入と効果検証を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は、高齢者看護における倫理的行動尺度の開発に向け、高齢者医療・看護に取り組む病院の看護師を対象にし、尺度の信頼性と妥当性の予備的検討を行った。方法は、関連する複数の尺度項目を研究者間、さらに高齢者看護の実践者と共に内容妥当性の検討を行い、構成概念及び尺度項目を選定した。予備調査にて表面妥当性を検討した上で、高齢者医療・看護に取り組む5病院に勤務する看護師431名に郵送法による無記名自記式質問紙調査を行った。項目分析、探索的因子分析を行い、併存妥当性は看護師の倫理的行動尺度改訂版を用いて相関係数を算出した。内的整合性はCronbachのα係数で評価した。182名の回答を分析対象とした(有効回答率42.2%)。分析の結果、「日常倫理に基づくケア」「高齢患者の意思に基づくチームケア」「認知機能が低下した高齢患者を理解する努力に基づく関わり」「原則に基づく身体拘束の低減」「効率を重視しない個別ケア」の5因子41項目から構成される尺度となった。因子負荷量は、ほとんどの項目で基準を満たしたが、一部で複数因子に跨って同等の因子負荷量を示す項目や基準に満たない項目が見られた。Cronbach α係数は0.7~0.9、看護師の倫理的行動尺度改訂版合計得点との相関係数は、r=0.4~0.8であった。作成した高齢者看護における倫理的行動尺度は、信頼性、併存妥当性はほぼ確保できたものの、構成概念妥当性は、表現の見直しなど改善の余地がある。この結果を踏まえて、2023年12月に急性期病院の看護師を対象とした全国調査を行い、倫理的行動尺度の信頼性と妥当性の検討を行っている。対象者4000名に対し、1123名からの回答を得ており、現在は、統計学的分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予備調査結果をもとにした尺度項目の検討に時間を要し、その後の全国調査に向けた倫理審査の申請、準備に遅れが生じた。そのため、結果をふまえて作成する倫理教育ツールが完成できていない。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、高齢者看護における倫理的行動尺度を含めた自己倫理評価ツールが完成次第、急性期病院の看護師に向けた倫理教育プログラムを実施できるよう、専門看護師等の意見もふまえながら倫理教育ツールを作成していく。
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