研究課題/領域番号 |
22K11282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
荒 桃子 北海道大学, 大学病院, 医員 (30741219)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
西澤 祐吏 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (50545001)
本多 昌平 北海道大学, 大学病院, 講師 (90588089)
渡邊 祐介 北海道大学, 大学病院, 特任講師 (90789405)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | バイオフィードバック療法 / 鎖肛 / 排便機能障害 / スマートフォンアプリケーション / ゲーミフィケーション / 鎖肛術後 |
研究開始時の研究の概要 |
鎖肛に対する肛門形成術は様々な術式が開発されているにも関わらず,術後の排便機能は必ずしも十分なものとは言えず,就学や就労といった社会活動に影響を与え,成人に至ってもQOLを損ねる要因となり得る.本研究では,鎖肛術後の排便機能の改善を目指し,患児が自宅で継続できる簡易バイオフィードバック装置の開発を目的としている.肛門内に安全に挿入できる筋電図センサーの作成と,これと連動するスマートフォンアプリケーションの開発を行う.約1年かけてセンサー,アプリケーションの開発を行い,次の2年間で臨床試験を行い,その効果を検証する.この研究により鎖肛術後患児の排便機能改善に貢献するものと考える.
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研究実績の概要 |
【目的】鎖肛は約5000出生に1例の頻度で発症し、病型に応じた肛門形成術が行われるが、成人期に至っても満足な排便機能を得られない症例が多く見られる。このような排便機能障害に対しバイオフィードバック(BF)療法が試みられており、鎖肛術後患児においても一定の効果が報告されているものの、広く普及していない。そこで、本研究ではBF療法を小児患者が苦痛なく、自宅で楽しく継続するため、スマートフォンを用いたBF装置の開発を目的としている。 【本年度の実績】5者間(北海道大学、国立がん研究センター東病院、株式会社フジタ医科器械、株式会社ソフケン、株式会社デジリハ)で共同研究契約を締結した。共同研究者が開発した既存のBF装置であるMyoWorksプラスの肛門挿入筋電計電極を小児の肛門に苦痛なく安全に挿入するための小型化に向け仕様を検討し試作品を作成している。また、MyoWorksプラスの筋電信号がアプリケーション作動の信号として適しているかを検討しているところである。本研究の中心部となるゲームアプリケーションの開発に向けては、患者市民参画の概念を取り入れ、今後この医療機器が完成した際に実際の利用者となりうる鎖肛術後患児と共同でゲームデザインやキャラクター設定などゲーム作りのワークショップを開催した。 学術活動としては、鎖肛術後患者を含めた排便機能障害を有する患者の臨床所見の観察研究として、第122回日本外科学会に「排便機能障害に対する多チャンネル肛門内圧測定の知見」、第59回日本小児外科学会に「鎖肛術後における直腸肛門内圧測定とMRIによる肛門挙筋群の評価と排便スコアとの関連」を発表し、鎖肛をはじめとする排便機能障害の原疾患、臨床的排便スコア、排便機能に関与すると考えられている肛門括約筋・恥骨直腸筋のMRI所見との関連について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MyoWorksプラスの筋電信号と株式会社デジリハが開発しているアプリケーションの作動が適合するかを検討している段階だが、この情報開示のため新たな秘密保持契約が必要となり関係各所と確認中である。信号とアプリケーションの作動部分は本研究の要となるため、この部分が解決しなければ次の行程へ進めないため、進捗はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、筋電信号を用いたパイロット版アプリケーションを作成し、安全性や作動の安定性などを検証するため特定臨床研究を行う。また、本製品の開発にも着手し、MyoWorksプラスの本体の小型化や本作用アプリケーションの開発を行う予定である。
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