研究課題/領域番号 |
22K11290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2023) 埼玉県立大学 (2022) |
研究代表者 |
石岡 俊之 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (50548914)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 本態性振戦 / 認知機能 / 熱凝固術 / 周術期 / リハビリテーション / 腹側中核核 / 熱凝固療法 / Essential Tremor / Insula cortex / Awareness / Cognitive impairment / Anosognosia |
研究開始時の研究の概要 |
本態性振戦(Essential Tremor; ET)がある人は認知機能の低下が生じ,その障害に対する自己認識(アウェアネス)も低下している.このアウェアネス低下は,リハビリテーションに対しての動機の欠如にもつながり適切な対応が望まれる.そこで本研究は,ETのある人の認知機能低下に対する根拠に基づくリハビリテーションにつなげるために.神経心理学的手法を用いてETのある人のアウェアネスの低下と自身の生活の質との関係性を明らかにするとともに脳科学的手法にてアウェアネスの低下が生じる神経機序を解明していく.
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研究実績の概要 |
今年度は研究時に取得すべき認知機能項目を決定するために研究協力施設での本態性振戦入院患者の認知機能を検証した.方法は,研究施設に入院した本態性振戦患者と本態性振戦以外の不随運動を伴う疾患患者を対象にMini-Mental State Examination (MMSE)と前頭葉機能評価として語想起課題の成績を比較するため年齢を共変量として投入して解析した.結果,両者にMMSE成績では差を認めなく明らかな低下を認めなかったが,語想起課題では明らかに本態性振戦患者の成績が低下していた.よって,MMSEでは本態性振戦の軽度認知機能低下の検出に鋭敏性をかく可能性が示唆され,前頭葉機能を反映した神経心理学的評価を使用する必要性が判明した.この結果を踏まえて,対象者の認知機能低下への価値判断課題を作成できることが可能となった. 加えて,振戦症状の外科的治療の一つである視床中間腹側核(Vim核)への熱凝固術の周術期の機能評価方法を検証した.方法は,Vim核を標的とした本態性振戦患者とVim核以外を標的とした熱凝固術を施行されたジストニア患者の運動機能症状,認知機能症状および身体活動能力を術前,術後1週間時点,術後1か月時点の3つの時期で比較した.結果,Vim核を標的とした本態性振戦患者のみ術後1週間時点で足圧中心が標的半球の反対側に有意に偏位することが示された.この結果は,足圧中心の偏位がVim核を標的とした熱凝固術後の本態性振戦患者の周術期の特徴を数値化できる指標となり得る可能性を示唆した.この知見は,足圧中心の偏位を指標とした根拠に基づく周術期リハビリテーション方法の開発へとつながることが期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による制限によって,予定通り新たな課題を追加して進めることが難しく遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
前頭葉機能低下と関連した認知機能の低下へのアウェアネスを評価する方法を活用してデータ収集を行う予定である.研究施設の感染予防を考慮した環境下で研究を進めていくために,新たな研究施設の開拓にも努める.
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