研究課題/領域番号 |
22K11292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
安 隆則 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40265278)
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研究分担者 |
杉村 浩之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30245104)
中島 敏明 獨協医科大学, 医学部, 特任教授 (50227790)
田村 由馬 獨協医科大学, 医学部, 研究員 (60727585)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 末梢動脈疾患 / 神経筋電気刺激 / 跛行 / ヘパリン運動療法 / 一酸化窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
増え続ける末梢動脈疾患患者の機能改善は喫緊の課題である。末梢動脈疾患患者が歩行習慣を獲得できないことに対して、下肢への神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation:NMES)を歩行前に行うと跛行症状閾値が上昇し、跛行までの歩行距離延長現象が報告されたがその機序は不明である。我々は末梢動脈疾患患者や重症心不全患者において受動的運動介入法であるNMESの有効性と安全性を実証してきた。本研究では間欠性跛行症状を有する末梢動脈疾患患者において、運動前にNMESを行う事により下肢の虚血耐性獲得効果を検証し、その機序を解明し、その臨床応用方法を開発する事である。
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研究実績の概要 |
最近のメタ解析によれば末梢動脈疾患の罹患率は、全世界で2億人以上と推測され、特にアジア諸国での増加が著しい。増え続ける末梢動脈疾患患者の機能改善は、リハビリテーション医学の喫緊の課題である。末梢動脈疾患患者が歩行習慣を獲得できない最大の理由は、歩くと足が痛くなり、歩くのが嫌になってしまうからである。本研究の目的は、間欠性跛行症状を有する末梢動脈疾患患者において運動前に下肢への神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation:NMES)を行う事によって下肢の虚血耐性獲得効果を検証しその機序を解明し、その臨床応用方法を開発する事である。症候性末梢動脈疾患患者15例を対象としたクロスオーバー比較試験の結果、NMES 20HzNRSスケール8の高強度で、跛行症状閾値がsham群と比較して有意に上昇した。最大歩行距離は、NMES 20HzNRSスケール8の高強度とNMES 4HzNRSスケール8の高強度でsham群と比較して有意に増加した。tcPO2の基礎値からの変化ならびにFMDの基礎値からの変化は、sham群と比較してNMESを施行した4群すべてで有意に増加し、末梢血中のHGF、VEGF値は無変化であったことから、PADにおけるNMESの下肢虚血耐性獲得効果の機序としてNOを介した血管内皮機能改善と実際にtcPO2による下肢血流改善が示唆された。下肢の虚血耐性獲得できる至適な周波数と強度の設定として、20HzNRSスケール8の高強度が適切と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症候性末梢動脈疾患患者15例を対象としたクロスオーバー比較試験を終了した。その結果、NMES 20Hz NRSスケール8の高強度で、跛行症状閾値がsham群と比較して有意に上昇した。下肢血流を反映するtcPO2の基礎値からの変化ならびに血管内非機能マーカーであるFMDの基礎値からの変化は、sham群と比較してNMESを施行した4群すべてで有意に増加し、末梢血中のHGF、VEGF値は無変化であった。PADにおけるNMESの下肢虚血耐性獲得効果の機序として一過性のNOなどを介した血管内皮機能改善と下肢血流改善が示唆された。下肢の虚血耐性獲得できる至適な周波数と強度の設定として、20Hz NRSスケール8の高強度が適切と考えられた。
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今後の研究の推進方策 |
研究結果を英語論文化して現在投稿準備中である。この研究結果に基づきFontaine Ⅱの末梢動脈疾患患者を対象に無作為割り付け並行群間比較試験を行う計画を立てて当センターの倫理委員会に近日中に審査依頼する予定である。同意取得後、最小化法(割付因子は年齢、性別、修正ガードナーでの最大歩行距離、糖尿病の有無)で無作為に2群(至適NMES +ヘパリン運動療法群とSHAM+ヘパリン運動療法群)に割り付ける。 1回目の評価を実施後、群ごとに1日2回、連続14日間入院でB-SES+ヘパリン運動療法を実施する。至適B-SES群では研究1で決定した至適B-SES設定で20分間施行、SHAM群ではNRSスケール1の低強度でB-SES を20分間施行してからインターバル速歩もしくはトレッドミル歩行運動を40分間実施する。14日間プログラム終了後に2回目の評価を実施する。退院後、在宅インターバル速歩を1セット20分間 1日2セットを継続する。患者には活動量計を貸し出して連続7日間の活動量を定量評価する。12週後に再評価を行うが、トレッドミル検査は割付を知らない検者が行う。主要評価項目は12週後の修正ガードナーでの最大歩行距離の基礎値からの変化。副次評価項目は、跛行出現距離、tcPO2の基礎値からの変化、FMDの基礎値からの変化、末梢血中のHGF、VEGFである。
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