研究課題/領域番号 |
22K11294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
河端 将司 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00908551)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 足関節捻挫 / 関節不安定性 / 超音波 / リハビリテーション / 靭帯損傷 / 足関節靭帯損傷 / 不安定性 / 超音波診断 / 定量化 |
研究開始時の研究の概要 |
足関節捻挫すなわち足関節靭帯損傷は発生頻度・再発率ともに高いスポーツ外傷である。慢性的な足関節不安定症に至ると変形性関節症のリスクも高まる。しかし、日常診療で関節不安定性を定量評価することは難しく、その機能的な診断基準や治療方針は確立していない。 本研究は、足関節外側靭帯損傷患者の足関節不安定性に対する機能的診断システムを確立することを目的として、①超音波診断装置の足関節動画像上の関節間距離を定量的に自動計測できる計測ソフトを開発し、②この計測ソフトで求めた関節不安定性の大きさが、受傷後の身体機能や競技復帰の状況に影響を及ぼすか否かを前向き調査で明らかにすることを試みる。
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研究実績の概要 |
足関節捻挫すなわち足関節靭帯損傷は、スポーツ外傷の中で最も発生頻度が高く、再発率は50%を超える。後遺症として「慢性足関節不安定症」に至ると、捻挫を繰り返す悪循環に陥り、スポーツ選手の競技生活を脅かし、ひいては変形性関節症のリスクを高める。近年では、超音波を用いて非侵襲的かつ簡便に靭帯損傷の早期診断や関節不安定性の推定が可能となった。しかし、不安定性の動態を正確に定量化するにはいまだ多くの課題が残っている。本研究の目的は、①足関節靭帯損傷患者の足関節不安定性を超音波診断装置でリアルタイムに計測できるシステムを開発し、②この計測システムを用いた関節不安性の重症度判定によって機能的予後や競技復帰の予測に役立てることである。 2022年度は、本研究のコアとなる関節間を自動計測するシステムを用いて、整形外科クリニックに受診した足関節靭帯損傷患者の関節不安定性の定量化を試みた。21名(健側と患側の42足)を対象に前方ストレステスト時の関節動態を記録した。自動計測システムと2名の手動計測で関節間距離を比較したところ、検者間再現性は級内相関係数ICC=0.53-0.71で中等度であった。また健患差1.41mmは過去の先行研究と比較しても妥当な結果であった。自動計測の計測時間は手動計測に比べて圧倒的に短縮された。人為的誤差を軽減し、かつ短時間で数値化できるメリットは、臨床的にも有益であることが示された。これらの成果は、学会で口述発表(第33回日本整形外科超音波学会、第9回日本スポーツ理学療法学会)および英文誌Scientific Report(Kawabata et al. 2023)に掲載することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度の研究計画通り、研究協力者の整形外科クリニックから足関節靭帯損傷患者の超音波動画を取得した。そして、超音波診断装置の動画解析システムを用いて、足関節靭帯損傷患者の関節不安定性の程度を計測し、その計測システムの再現性や絶対誤差、また健患側の妥当性を検証した。それらの成果は、学会で口述発表(第33回日本整形外科超音波学会、第9回日本スポーツ理学療法学会)および英文誌Scientific Report(Kawabata et al. 2023)に掲載することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例数が蓄積されており、本研究は予定通り推進している。今後は「足関節捻挫受傷後の関節不安定性の重症度判定」、「急性期で生じた関節不安定性の改善に要する期間」、「重症度別の競技復帰までの期間」などを明らかにすることを目指している。
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