研究課題/領域番号 |
22K11297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
安田 和弘 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 客員主任研究員(研究院客員准教授) (50633640)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 脳卒中 / 半側空間無視 / バーチャルリアリティ / 3次元マップ化 / 信頼性・妥当性評価 / 高次脳機能障害 / 3次元評価 |
研究開始時の研究の概要 |
脳損傷後に生じる半側空間無視(USN)は,大脳半球病巣と反対側の刺激を無視することにより, 食事の食べ残し・更衣動作の障害・移動中の衝突等が生じ, 日常生活の自立を著し く阻害する.本研究では,没入型バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて無視症状の3次 元的マッピング化を図り, 3次元空間下の個別症状に最適化されたリハビリ支援システムを構築,有効性を明らかにする.USNに関する評価で,3次元的に無視領域をマッピング化・個別介入する手法は確立しておらず, 生活空間に類似する3次元空間内で無視症状を同定・介入することが実現すれば, 既存の標準的手法から飛躍的な進歩が期待される.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,没入型バーチャルリアリティ(VR)技術を用いて無視症状の3次元的マッピング化を図り, 3次元空間下の個別症状に最適化されたリハビリ支援システムを構築,有効性を明らかにすることであった.具体的には,①VR空間内の刺激認識課題による無視領域の3次元的定量化, ②頸部固定・非固定(探索可能)条件の比較分析による患者固有の無視症状同定, ③同定された3次元的無視領域の臨界点に応じたテーラーメード型介入手法の案出を行う. 2022年度の目標は「VRによるUSNの無視領域3次元的マッピング化および信頼性・妥当性検証を完了する」ことであった.この目標は, 実際の臨床試験において十分に達成された。研究ではVR Testの検者間および検者内信頼性を検証するため,USN症状を有する脳卒中患者12名を対象に評価を実施した.評価における信頼性とは,同一検査者あるいは,異なる検査者が測定した評価の結果が,ほぼ同じ結果になることを示す.研究では,検者内信頼性および検者間信頼性を示す指標の一つとして利用される,級内相関係数(intraclass correlation coefficient :ICC)を用いた.検者内信頼性は近位空間で ICC(1,1)=0.93-0.99,遠位空間でICC(1,1)=0.83-0.98となり,検者間信頼性は近位空間でICC(2,1)=0.88-0.98,遠位空間でICC(2,1)=0.83-0.98であった.ICCの結果の解釈を0.75以上0.9未満が良好(good)とし,0.9以上を優秀(excellent)としており,今回の結果は検者間・検者内信頼性および近位・遠位空間ともに高い信頼性という結果となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本来は2年目に検証予定であった「頸部固定条件とフリー(非固定)条件計測による個別症状の定量化」について予備的検証を開始し、少人数の患者データの収集と解析を終えた.
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今後の研究の推進方策 |
全体として計画は順調に進んでいる.計画通りに進めるとともに, 進行中に生じた新たなリサーチクエスチョンに対しては,臨床チームとの協業により積極的に課題解決していく.また,研究の更なる推進のために,2施設の臨床施設を追加予定である(承諾済).
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