研究課題/領域番号 |
22K11303
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
小原 謙一 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (10412256)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 座面 / 作業効率 / 臀部ずれ力 / ティルト / リクライニング / 不快感 / 背張り機能 / ティルト機能 / リクライニング機能 / 褥瘡 / 車椅子 / ずれ力 |
研究開始時の研究の概要 |
「寝たきり」による弊害を防ぐために積極的に座ることが推奨されるが、長時間の座位による臀部の褥瘡が問題となっている。背もたれの傾斜によって急激に増大する褥瘡発生因子としての臀部ずれ力の対策として、リクライニング機能とティルト機能の併用が挙げられる。しかしながら、その併用によって臀部ずれ力の変動幅が拡大することを申請者らは明らかにした。本研究では、車椅子のリクライニング機能とティルト機能の併用によって拡大する褥瘡発生因子である臀部ずれ力の変動幅を軽減させるための車椅子の新たな機能を開発する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、2つの研究成果を報告した。 1つ目の成果は、椅子の座面前傾角度が机上での作業効率に及ぼす影響について検討したものである。健常者を対象として、机上での作業効率および主観的な作業の容易さに対して座面の前傾角度が及ぼす影響について検討した結果、座面の前傾角度が30度の条件が、前傾0度、15度と比較して作業効率、作用業の容易さが有意に高値を示していた。対象者のQOL向上や就業を考慮して机上での作業効率の観点からティルト・リクライニング車椅子に求められる機能は、座面を前傾させることであると示唆された。 2つ目の成果は、ティルト・リクライニング車椅子上座位において、ティルトとリクライニング機能を併用した際の不快感増大の要因について検討したものである。その結果、臀部のずれ力(剪断力)の変動幅が上述の不快感増大に関連することが示唆された。臀部ずれ力は、褥瘡発生因子の一つであり、その最高値に注目されてきた。ティルトとリクライニング併用時には、その最高値は減少するが、ずれ力の変動幅は拡大することが知られている。本研究によって、このことが不快感と関連することが明らかになったことから、ずれ力の最高値のみならず、変動幅を減少させるための機能をティルト・リクライニング車椅子には備えるべきであると考える。 上記の内容は、第60回日本リハビリテーション医学会学術大会、第39回日本義肢装具学会学術大会にて報告し、現在学術雑誌(英文)に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの2年間で論文2本掲載済み、2本投稿中である。 さらに、次の実験の準備はほぼ整っており、近日中に実施予定である。 この実験結果によって得られた知見を、車椅子使用者を対象として検証することが必要であるが、その準備が少々滞っておりため、「おおむね順調に進展している」とした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究によって、褥瘡予防を目的としたティルト・リクライニング車椅子に求められる機能についての知見が得られ、そして、我々が開発したシートカバー・アセンブリのティルトとリクライニング機能の併用時の効果について検証できている。 今後は、シートカバー・アセンブリがその効果を十分に発揮できない条件の検証と、これまでの研究結果から得られた知見を組み合わせて考案、試作する車椅子用背もたれの効果検証を行う予定である。 上記の予定については、実験準備は概ね整っており、近日中に実験を行う。
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