研究課題/領域番号 |
22K11327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
井上 敬夫 近畿大学, 医学部, 助教 (00441006)
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研究分担者 |
金澤 佑治 北陸大学, 医療保健学部, 准教授 (60620656)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 廃用性筋萎縮 / 高血圧 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者において骨折や入院などにより引き起こされる骨格筋の萎縮(廃用性筋萎縮)からの回復遅延が社会的問題となっており、早期回復へ向けた治療法が求められている。高齢者の多くが罹患する高血圧症が廃用性筋萎縮からの回復遅延に関連していることが明らかとなったことから、高血圧症に焦点を当てた廃用性筋萎縮からの回復遅延機構の解明を行うとともに、高血圧症の治療に用いられている降圧薬の筋萎縮からの回復への影響を調べることで、早期回復を目指す治療法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
高齢者において骨折や入院などにより引き起こされる骨格筋の萎縮(廃用性筋萎縮)からの回復遅延が社会的問題となっており、早期回復へ向けた治療法が求められている。高齢者の多くが罹患する高血圧症が廃用性筋萎縮からの回復遅延に関連していることが明らかとなったことから、高血圧症に焦点を当てた廃用性筋萎縮からの回復遅延機構の解明を行うとともに、高血圧症の治療に用いられている降圧薬の筋萎縮からの回復への影響を調べることで、早期回復を目指す治療法の開発への足掛かりとする。 廃用性筋萎縮を惹起した時に、脳卒中易発性高血圧自然発症ラット(SHRSP)と正常血圧ラットであるWKYとの間に、筋萎縮率に有意な差はみられなかった。しかしながら、廃用性筋萎縮からの回復時において、WKYにおいてのみ筋線維の壊死とそれに伴う炎症細胞の浸潤及び浮腫が確認された。電子顕微鏡による組織解析を行ったところ、WKYでは廃用性筋萎縮によりサルコメア構造が崩壊した筋線維が散見された。一方、SHRSPではそのような筋線維は観察されなかった。したがって、WKYにおいてみられた回復時の筋線維の壊死は、サルコメア構造が崩壊した筋線維によるものであると考えられた。また、SHRSPにおいて廃用性筋萎縮からの回復遅延がみられる原因について解析した結果、タンパク質の翻訳に関わるタンパク質の活性化が抑制されており、そのため、骨格筋を構成するタンパク質の合成も抑制されていることが明らかとなった。廃用性筋萎縮時におけるタンパク質の分解過程の違いが、回復速度に影響を与える可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
[研究実績の概要]に記載したR5年度の成果は[研究実施計画]の内容に従って進められているため、[おおむね順調に進展している]と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、廃用性筋萎縮及びその回復に重要なタンパク質の解析を行っており、これらタンパク質と高血圧症との関連を明らかにしていく。更に高血圧症の治療による廃用性筋萎縮及び回復への影響を調べていく。
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