研究課題/領域番号 |
22K11336
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
仙石 拓也 金沢大学, 附属病院, 理学療法士 (00894403)
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研究分担者 |
中瀬 順介 金沢大学, 附属病院, 助教 (50584843)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 前十字靭帯損傷 / 移植腱 / 大腿四頭筋腱 / 大腿四頭筋筋力 / 筋活動 / 前十字靭帯再建術 |
研究開始時の研究の概要 |
前十字靭帯損傷後の大きな問題点として、スポーツ復帰率が低いことや再受傷率が高いことが挙げられる。再建靭帯の作成に使用する移植腱(大腿四頭筋やハムストリングスの腱)は、その強度やスポーツレベルによって異なる。腱の採取によって術後の膝関節周囲の筋力低下や動作時のアライメント変化が生じるが、使用した移植腱によってどのような変化を生じるかは不明である。本研究の目的は、前十字靭帯再建術時の移植腱の違いがその後の筋活動や動作にどのような影響を与えるか解明することである。本研究を通じてリハビリテーションプログラムを見直すことでより安全なスポーツ復帰を促し再断裂率の低下に繋げることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、前十字靭帯再建術時の移植腱の違いが、その後の筋活動や動作に影響を与えるのか解明することである。 令和5年度は、大腿四頭筋腱を用いた前十字靭帯再建術の症例数が増加し、ハムストリング腱を用いた前十字靭帯再建術患者と膝伸展筋力を詳細に比較した。その結果、術後3および6カ月ともに大腿四頭筋腱を用いた前十字靭帯再建術後に膝関節伸展筋力の最大トルクの低下や発揮時間の遅延を認めた。本結果は令和6年度に学会発表(抄録投稿済み)および英語論文の執筆を予定している。 また、今年度は、多点筋電図を用いた大腿四頭筋の筋活動の評価も順調に行えている。しかし、令和4年度の術式変更の影響を受け、一時症例数が減少したこともあり、ようやく統計解析を行える症例数が集まる段階である。並行してデータ解析を進めており、令和6年度以降には術後4カ月までの結果を学会発表や英語論文の執筆を行う予定である。術後7カ月以降のデータに関しては、症例数が不十分であり、学会発表および英語論文の執筆には、時間を要する。 最後に、本研究では術後7カ月時にジャンプ動作等の評価を検討したが、大腿四頭筋腱を用いた前十字靭帯再建術患者の多くは、同時期の膝関節伸展筋力の改善が不十分であり、安全な環境下で動作を評価することは困難であった。そのため、今回は、前十字靭帯再建術後の大腿四頭筋の筋活動を多点筋電図にて詳細(運動単位、発火頻度、筋収縮速度など)に評価することにフォーカスすることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究が現状やや遅れている一番の理由は、令和4年に当院の前十字靭帯再建術の術式が一部変更となり、一部症例が除外となったためである。現在、症例数は比較的安定してきたが、令和4年度の症例数がかなり限られたことで大きな影響を受けている。また、最近の症例では、能登半島地震の影響を受け、予定していた定期受診、検査を適切なタイミングで行えなかったものも存在する。
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今後の研究の推進方策 |
当院の術式変更の影響を受け、対象症例は一部変更となったが、世界的により注目度の高い大腿四頭筋腱を用いた前十字靭帯再建術後の症例を本研究に取り入れることができている。 現在、症例は順調に集まりつつあり、術後4カ月のデータは概ね揃い、統計学的解析へと進む段階にある。しかし、術後7カ月のデータは症例数が不足しており、引き続き測定を進めていく。 本研究の難点として、大腿四頭筋の筋活動の評価に用いている多点筋電図の解析には膨大な時間を要することである。現状の症例数を踏まえ、2024年の間に、大腿四頭筋腱もしくはハムストリング腱を用いた前十字靭帯再建術後4カ月の筋活動の比較を英語論文にて執筆する予定である。また、2025年には術後7カ月の筋活動を英語論文にて執筆する予定である。
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