研究課題/領域番号 |
22K11339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
山田 和夫 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (30240005)
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研究分担者 |
松本 健一 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (30202328)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞外マトリックス / テネイシンX / 軟骨代謝 / エーラス・ダンロス症候群 / アグリカン / II型コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
細胞外マトリックスタンパク質であるテネイシンX(TNX)は、関節、皮膚などに脆弱を来すことが知られている類古典型エーラス・ダンロス症候群(EDS)の原因遺伝子として同定された。我々は、これまでに、TNXはコラーゲン線維形成に関与することから、皮膚過伸展に関するEDSに特徴的な所見と関連することを示した。一方、TNX-KO(TNXノックアウト)マウスを用いた解析から、TNX-KOマウスでは破骨細胞への分化が促進し、骨量が減少することを明らかにした。しかしながら、これまで軟骨細胞自身が軟骨変性に関わる研究はほとんどなされていない。本研究では、TNXによる軟骨代謝機構を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
細胞外マトリックスタンパク質であるテネイシンX(TNX)は、関節、皮膚などに脆弱を来すことが知られている類古典型エーラス・ダンロス症候群(clEDS)の原因遺伝子として同定された。本研究は、TNXによる軟骨代謝機構の解明を目的とし、初年度に続きTNX-KOマウスの軟骨分化の解析を行った。軟骨細胞への分化は、野生型(C57BL/6J)マウス及びTNX-KOマウスの初代軟骨細胞を用い、軟骨分化マーカーであるII型コラーゲン、アグリカン、軟骨分解酵素であるADAMTS-4, ADAMTS-5の発現を定量PCRにて解析した。その結果、TNX-KOマウスでは野生型マウスに比べ、II型コラーゲン、アグリカンの発現が有意に減少することが確認された。ADAMTS-4, ADAMTS-5の発現はTNX-KOマウス及び野生型マウスで差異は認められなかった。さらに、ウェスタンブロット法を用いてII型コラーゲン、アグリカンのタンパク量を解析したところ、TNX-KOマウスでは野生型マウスに比べ、II型コラーゲン、アグリカンのタンパク量が減少する傾向が認められた。また、C3H10T1/2細胞を用いた軟骨分化の解析では、野生型C3H10T1/2細胞におけるTNX の発現レベルが非常に低く、新たにTNX過剰発現C3H10T1/2細胞株を作成し、野生型C3H10T1/2細胞及びTNX過剰発現C3H10T1/2細胞を用いて検討した。野生型C3H10T1/2細胞及びTNX過剰発現 C3H10T1/2細胞に、骨形成因子-2(BMP-2)を添加し、II型コラーゲン、アグリカン遺伝子の発現を定量PCRにより解析したところ、TNX過剰発現C3H10T1/2細胞が野生型C3H10T1/2細胞に比べ、II型コラーゲン、アグリカンの発現が有意に増加した。これらの結果より、TNXが軟骨分化に関与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
野生型(C57BL/6J)マウス及びTNX-KOマウス初代軟骨培養細胞を用い、さらにTNX の軟骨細胞への分化の関与を定量PCRを用いて解析し、TNX-KOマウスでは野生型マウスに比べ、II型コラーゲン、アグリカンの発現が有意に減少することが確認された。 また、定量PCRに加え、ウェスタンブロット法を用いてII型コラーゲン、アグリカンのタンパク量を解析したところ、TNX-KOマウスが野生型マウスに比べ、II型コラーゲン、アグリカンのタンパク量が減少する傾向が認められた。さらに、初年度、野生型C3H10T1/2細胞におけるTNX の発現レベル非常に低いことが判明したため、TNX過剰発現C3H10T1/2細胞株を作成し、野生型C3H10T1/2細胞及びTNX過剰発現C3H10T1/2細胞を用いて比較した。骨形成因子-2(BMP-2)で軟骨分化させると、TNX-過剰発現 C3H10T1/2 細胞では野生型C3H10T1/2細胞に比べ、II型コラーゲン、アグリカンの発現が有意に増加した。これらのことから、TNX が軟骨分化に関与する可能性が示唆された。しかしながら、野生型C3H10T1/2細胞及びTNX過剰発現C3H10T1/2細胞を軟骨細胞に分化させた際の、TNXが細胞増殖、アポトーシス及ぼす効果については検討できなかった。このことを考慮して「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
TNXによる軟骨代謝機構をさらに解明するため、(1)TNX-KOマウスを用いて軟骨代謝機構を解析する。(a)マウス関節軟骨初代培養細胞による軟骨分化に関わる分子の同定:野生型(C57BL/6J)マウス及びTNX-KOマウスの初代軟骨培養細胞を用いて遺伝子発現解析を行い、野生型マウス及びTNX-KOマウス軟骨細胞で発現に差異がある遺伝子を同定する。(b)マウス関節軟骨初代培養細胞による軟骨分化に関わるシグナル経路の解析:軟骨分化のマーカー遺伝子であるII型コラーゲン、アグリカンの発現に関与することが報告されているWnt, TGF-β,BMP, FGF経路のシグナル関連分子に相違があるかどうかを定量PCR, ウェスタンブロット法を用いて解析する。 (2)野生型C3H10T1/2細胞及びTNX過剰発現C3H10T1/2細胞を用いて軟骨代謝機構を解析する。細胞増殖、アポトーシスの解析:野生型C3H10T1/2細胞及びTNX過剰発現 C3H10T1/2細胞に、BMP-2を添加し、軟骨細胞に分化させ、細胞増殖はMTTアッセイにより、アポトーシスが惹起されるかどうかはTUNEL法により解析する。
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