研究課題/領域番号 |
22K11341
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
古川 順光 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (50299799)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 最大吸気筋力 / 最大呼気筋力 / 横隔膜可動性 / 端座位 / 背臥位 / 側臥位 / 呼吸機能 / 胸郭可動性 / 呼吸筋力 / 胸郭 / 横隔膜 / 姿勢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は姿勢変化に伴う胸郭可動性や横隔膜可動性の変化が、種々の姿勢における呼吸機能、呼吸筋力発生に及ぼす影響を明らかにし、呼吸筋トレーニングに資することである。 本研究は呼吸機能・呼吸筋力に対する姿勢の影響を胸郭可動性・横隔膜可動性などの面から明らかにする点が特徴であり、その結果から、傷害予防、身体能力や技能の向上、運動療法を実施する際や身体活動促進、介護予防に資することができる。また、呼吸機能の低下を来す疾患の流行期においても、効率のよい運動療法・呼吸筋トレーニングプログラムが作成可能になる点など、今後の発展が期待できる。
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研究実績の概要 |
姿勢変化に伴う胸郭可動性や横隔膜可動性の変化が、種々の姿勢における呼吸機能、呼吸筋力発生に及ぼす影響を明らかにし、どのような姿勢で、どのような方法で行ったら、より効果的かとの情報は重要である。本研究の目的は、呼吸機能・呼吸筋力に対する姿勢の影響を明らかにし、呼吸筋トレーニングに資することである。 2023(令和5)年度の計画は、健常男女大学生を被験者とし、端座位における数パターンの体幹屈曲角度での測定に加え、背臥位・側臥位において、呼吸機能、呼吸筋力、胸郭可動性、脊柱可動性、骨盤角度、横隔膜可動性の測定を行い、これらの関係性を検討し、呼吸機能、呼吸筋力を効率よく発揮できる条件を明らかにすることとした。2023年度は健常大学生9名を対象に、端座位・背臥位・側臥位における呼吸機能、呼吸筋力、胸郭可動性横隔膜可動性の測定を実施した。端座位での体幹角度の設定は昨年度同様に5パターンでの測定を行い、背臥位・側臥位においては股関節・膝関節伸展位および屈曲位での測定も実施した。呼吸機能・呼吸筋力の測定は,新型コロナウイルス感染症対策に伴い、当初予定よりも測定時間を要する状況であった。 呼吸機能は%肺活量の平均値が端座位:82.1%、背臥位:(下肢伸展位)78.5%・(下肢屈曲位)77.2% 、側臥位:(下肢伸展位)73.0%・(下肢屈曲位)75.5%であった。最大吸気筋力は座位では昨年度実施と同様の結果が得られ、座位と背臥位・側臥位での比較では前者は10~15%減少、後者は10%増加する傾向がみられた。最大呼気筋力は座位と背臥位・側臥位での比較では5~10%程度減少する傾向であった。また、胸郭可動性は背臥位では座位と同様の可動性が確保される一方で、側臥位では上部、中部、下部胸郭の可動性が減少する傾向があった。横隔膜可動性は解析途中であり、今後検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023(令和5)年度の計画は、健常男女大学生を被験者とし、端座位における数パターンの体幹屈曲角度での呼吸機能、呼吸筋力、胸郭可動性、脊柱可動性、骨盤角度、横隔膜可動性の測定を行う予定であった。一般的にはコロナ禍が終了した認識ではあるが、呼吸機能検査を伴う実験では対象者のリクルートが困難であること、また、引き続き新型コロナウイルス感染症対策に伴い、1回の測定時間も当初予定していた時間よりも長時間が必要となり、実際に測定が可能であった被験者数は少数となった。 また、超音波測定装置の変更に伴い解析項目も変更を余儀なくされた。そのため測定・解析に当初の想定よりも多くの時間がかかっているので、全体的な研究の進行に影響を与えている。進捗状況としては順調とはいえない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2024(令和6)年度以降の計画では前年度までに実施した測定を引き続き継続実施し、これまで(2022年度・2023年度)の結果をまとめ、関連領域の学術大会にて演題発表を行いレビューを受け、論文執筆・関連雑誌への投稿準備を行う予定としている。 まずは2023年度に実施した背臥位と背臥位で股関節・膝関節を屈曲した姿勢、次に側臥位での測定を実施し、被験者数・データ数を増加する予定である。2023年度の結果から側臥位での胸郭可動性の影響が背臥位よりも重要と考えられることから、背臥位、側臥位、端座位と比較を重視して実施する予定である。 また、2022年度・2023年度に予定していた被験者数に達していないこと、測定を実施できていない項目もあることから、実施できていなかった測定を優先して実施することとする。研究の実施内容からコロナ禍の影響は継続しており、過年度同様に被験者の募集が困難となることも予想される。被験者の公募、実験日程調整など、研究補助者と連携しつつ進めていく必要がある。可能な限り予定の被験者数に達するようにする予定である。脊柱可動性および横隔膜可動性の測定・解析に関しては、当初の想定よりも測定や解析に時間がかかることもあり、慎重に進めていく必要がある。
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