研究課題/領域番号 |
22K11346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
齊藤 正和 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (60640597)
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研究分担者 |
高橋 哲也 順天堂大学, 保健医療学部, 教授 (00461179)
森沢 知之 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (80552512)
作山 晃裕 順天堂大学, 保健医療学部, 助教 (80910380)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 血液透析 / 悪液質 / 骨格筋 / 栄養 / 運動 / 身体活動 |
研究開始時の研究の概要 |
多角的な骨格筋評価から血液透析患者の前悪液質発症や悪液質への増悪に関する危険因子を同定し、前悪疫質発症や悪液質への増悪リスク評価方法を立案する。また、血液透析患者の前悪液質予防や治療に向け、多角的な骨格筋評価を含む標準的な身体機能評価法の提案ならびに新たな運動・身体活動プログラムの安全性および有用性を検討する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、アジア人の悪液質の診断方法を検討するメンバーの一員としてアジアの悪液質診断基準のポジションペーパーを発表した。また、本研究の血液透析患者にアジアの悪液質診断基準(AWGC2023)を使用すると34%が悪液質に該当することが明らかとなった。これまで国際的に使用されていた悪液質の診断基準を使用するよりも悪液質または前悪液質を早期発見できることが示された。また、このAWGC2023で診断した悪液質は、サルコペニアならびにサルコペニアのサブタイプである、骨格筋異常と骨量低下を表現型とするオステオサルコペニアとの関連性が示された。一方、悪液質は骨格筋異常と高体脂肪率(肥満)を表現型とするサルコペニア肥満との関連性は認めないが、身体的フレイルとの関連性が高いことが示された。これらの知見より悪液質やサルコペニアを呈する血液透析患者では、多角的な骨格筋評価のみならず、骨や脂肪も含めたより包括的な評価に基づいた、個別性の高い栄養療法と運動療法の併存療法を検討する必要性が示唆された。今後は、登録時のデータとフォローアップのデータから、悪液質や前悪液質の年間発症率の調査に加えて、危険因子の同定を行うとともに、悪液質や前悪液質予防に有用な運動量や身体活動量の検討を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年末時点で、700名以上の患者登録、1年フォローアップが300名程度のデータ登録が完了している。現在、データセンターにてデータクリーニング作業とフォローアップデータの登録依頼作業を継続している。 また、2023年度は本研究結果を用いた学会発表が、シンポジウム3題、一般演題5(内 国際学会での発表1題)、国際誌への原著論文受理2件、国際誌への投稿中論文1件、国内雑誌への投稿中論文1件となっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究協力施設および登録患者1000例を目標に定期的に開催している研究会主催のウェビナーや学会発表および論文掲載を通して本研究活動の広報を継続的に実施していく。一方で、現時点で700名程度の患者登録が既に済んでおり、登録時のデータを使用した骨格筋異常、悪液質をはじめとする低栄養に関する知見をまとめ研究協力者を支援しながら学会発表や論文執筆を進めていく。さらに、1年後または2年後のフォローアップデータも随時登録されており、悪液質や前悪液質予防に向けた効果的な腎臓リハビリテーションの立案に向けて、前悪液質および悪液質の年間発症率の調査、危険因子の同定を縦断的データより検討し、一流国際誌への掲載を目標に統計の専門家の協力も仰ぎながら本研究を推進していく予定である。
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