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麻痺筋であるハムストリングスの筋出力を図り片麻痺患者のぶん回しを消失させる研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K11349
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

中山 恭秀  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90902718)

研究分担者 安保 雅博  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266587)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード片麻痺 / 歩行 / ぶん回し / ハムストリングス / バイオフィードバック / 即時効果
研究開始時の研究の概要

2023年は9月を目途に2週間の集中トレーニングでハムストリングスの筋出力が向上するか、膝関節屈曲自動関節可動域が拡大するか、フィードバックがなくても代償動作につながる他の筋収縮を調整できるようになるか明らかにする。2024年3月を目途に三次元動作解析装置や床反力系を用いて歩行に与える影響を明らかにする。2024年9月を目途に自主トレの持続効果を、2025年12月には治療対象の範囲を明確にし、研究期限までに今後の研究につながるよう、片麻痺患者において集中的にトレーニングすることで歩容を変化させうる他の方法を提案きるようにする。

研究実績の概要

前半はコロナによるクラスターもあり、感染対応の影響を受けていた。7月頃より次第に緩和され、入院における患者のリクルートが行えるようになった。7月から9月の間で測定可能であった1症例について、即時効果の検証を実施、日本スティミュレーションセラピー学会へ演題登録し発表(口述)している。内容は、ハムストリングスの筋力強化を実施した前後の歩行を加速度型三次元動作解析装置(Eskin Meva)を用いて測定し、遊脚期においてぶん回しが減少しているという即時効果の結果である。
学会で、論文掲載には複数症例での検証が必要とのアドバイスを頂いていたため、スーツの購入を検討、Eskin-Mevaで用いるボディースーツはMサイズ1着しかなかったため、体格の大きな患者、小さめの患者での計測を断念せざるを得なかった。そのためSサイズとLサイズを購入申請し、年末に搬入となった。
取り込み基準を満たさない症例を除き、年度末までに計測できた3名のデータでJapanese Journal of Stimulation Therapyに投稿を済ませた。先日受理いただき掲載を待っているところである。また、ハムストリングスの強化がぶん回しを改善させる手法であることを明確に説明するために、磁気刺激治療に併用する運動療法を紹介した「Physical Therapy Combined with Transcranial Magnetic Stimulation Therapy: Treatment Practice Considering the Effect of Reducing Upper Limb Spasticity on Gait」を執筆し、Physical Therapy Researchに投稿し8月に掲載された。現在、患者のリクルートと測定を進めている。最終年度を迎えるが延長も視野に入れて進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナによる影響があり7月以降で研究が実施できるようになった。機器の購入も遅れて結果的に2024年度1月以降での症例蓄積となっているが、その先は順調に推移している。メインとなる研究を即時効果の証明としている。
基礎的な研究を通して、ハムストリングスの筋力強化方法、取り込み基準について以下の通り設定した。まず、ハムストリングスの強化という運動療法のセットを決めている。1単位(20分間)でのハムストリングスの筋力トレーニングを設定した。体位は背臥位とし、3分程度の安静をとり全身のリラックスをはかったのち、膝関節伸展0度から90度までを1秒間で30度、45度、90度の3つの角速度で収縮させる。10回を1セットとしてそれぞれ3セットとした。患者の動かせる範囲で抵抗をかけるもしくは介助を加えることとし、代償動作は説明をするが出現は許可した。痛みがある場合は中止とし、患者の訴えを聞きながら進める。
また、本研究の取り込み基準は、①発症から6か月以上経過し病態が落ち着いていること、②セラピストによる目視若しくは本人の訴えにぶん回しがあること、③ハムストリングスの筋収縮が確認できること、④杖歩行や下肢装具の使用は許可するが独歩可能であること、⑤医師が理学療法、動作解析について許可し、患者が同意したものとした。
以上の条件で2023年12月以降で患者のリクルートを実施、介入による即時効果について症例蓄積に入っている。3症例をもとにした和文での即時効果の第1報は済ませた。

今後の研究の推進方策

国内雑誌での掲載が整ったため、即時効果に関してSingle Case Studyでの英語論文の執筆掲載を計画する。当初予定していた症例数を獲得した研究デザインを見直し、G-powerで計算したサンプル数20例を目標として、年度内もしくは延長申請をしてでも国際誌に掲載する方向で進める。即時効果のデータからは、明確に変化が出ており、患者への利益が高いと考えている。
国際的に、低頻度経頭蓋磁気刺激治療が上肢麻痺を改善することは明確になっているものの、その副産物として歩容が改善したという報告は我々が報告する国内レベルの論文にとどまる。経頭蓋磁気刺激治療による上肢麻痺の軽減作用は、体幹回旋時の緊張軽減ももたらすが、それに伴って上肢の懸垂が改善することにより歩行効率が改善することはすでに報告している。今後の治療として、特に下肢の筋緊張が高くぶん回しを呈する患者をセレクトし、磁気刺激治療と本治療の組み合わせがより高い改善を示すこととなるか、検証することが必要であると考える。
故に、今後の研究の推進方策としては、ハムストリングス強化がぶん回しを軽減する即時効果を有することを受け、経頭蓋磁気刺激治療との組み合わせにより、Pubmedに掲載されている英文雑誌への掲載を進める。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Physical Therapy Combined with Transcranial Magnetic Stimulation Therapy: Treatment Practice Considering the Effect of Reducing Upper Limb Spasticity on Gait2023

    • 著者名/発表者名
      Yasuhide Nakayama
    • 雑誌名

      Physical Therapy Research

      巻: 26 号: 2 ページ: 44-49

    • DOI

      10.1298/ptr.R0025

    • ISSN
      2189-8448
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 下肢麻痺の重症度に合わせた理学療法戦略2023

    • 著者名/発表者名
      中山恭秀
    • 雑誌名

      MEDICAL REHABILITATION

      巻: 282 ページ: 36-41

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 経頭蓋磁気刺激治療とハムストリングス筋力強化の併用がぶん回し歩行に及ぼす作用に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      中山恭秀
    • 学会等名
      第7回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 斜面板上立位保持トレーニングの作用に関する研究ー片麻痺症例における体幹回旋に及ぼす作用の確認2023

    • 著者名/発表者名
      中山恭秀
    • 学会等名
      第7回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 臨床実践が求める基礎研究2023

    • 著者名/発表者名
      中山恭秀
    • 学会等名
      第28回日本基礎理学療法学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 片麻痺患者に対する肩関節伸展内旋位固定による歩行練習の即時効果2022

    • 著者名/発表者名
      中山恭秀
    • 学会等名
      第7回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 斜面板上立位保持トレーニングの作用に関する基礎研究健常者における重心偏位と体幹回旋の関係2022

    • 著者名/発表者名
      中山恭秀
    • 学会等名
      第59回日本リハビリテーション医学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 70歳すぎても歩ける体になる!2022

    • 著者名/発表者名
      安保 雅博、中山 恭秀
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      大和書房
    • ISBN
      9784479320258
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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