研究課題/領域番号 |
22K11350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 産業能率大学 |
研究代表者 |
中野 耕助 産業能率大学, 情報マネジメント学部, 講師 (10908114)
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研究分担者 |
嶺 也守寛 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (40708567)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 膝装具 / センターブリッジ型膝装具 / 変形性膝関節症 / 力覚センサ / 歩行分析 |
研究開始時の研究の概要 |
膝装具の内側支柱部の長さを変化させることで矯正力に変化が起きるかを確認する。この矯正力に差が出るということを明らかにできれば、各患者のグレードごとによって必要な理想の矯正力をだせる膝装具が処方できる。また、臨床現場で患者の疾患名や主訴だけに基づいた画一的な理学療法を繰り返すだけでなく、科学的根拠に基づいた客観的指標を用いた理学療法プログラムと評価を行う事ができ新しい理学療法マネジメントの構築に寄与できる。そのため、膝装具の矯正力パラメータを明確に可視化することが必要である。
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研究実績の概要 |
センターブリッジ型膝装具の大腿部と下腿部を分離し、装具構造上でもっとも剛性の高い継手部に荷重が計測できる荷重センサを組み込み膝装具下腿内側支柱部に作用する荷重計測システムを開発できた。同装置を用いて、歩行中に作用する下腿内側支柱部への荷重を調べた。実験の結果、変形性膝関節症患者は健常者と比較して下腿内側支柱部に力学的な支援を受けていることがわかった。また、同時にセンターブリッジ型膝装具でどの程度メカニカルストレスを軽減しているか力学的に確認できる新膝装具計測システムの開発も本年度進め、変形性膝関節症患者および健常高齢者を含めた数名の歩行中に作用する膝装具力学的荷重計測もおこなった。新膝装具計測システムで計測したデータをもとに歩行中の膝に作用するメカニカルストレスをどの程度軽減しているか評価できることを検証した。検証した結果として、膝装具が軽減するメカニカルストレスの定量化をおこなうシステム開発は構築できたと考える。 膝装具下腿内側支柱部に組み込んだ膝装具計測システムを使って明らかにした成果についてはライフサポート学会に原著論文として公開した。また、新膝装具計測システムの開発および計測した結果については、人間工学会関東支部で発表した。さらに、新膝装具計測システムを用いて被験者数を増やし膝に作用する3次元的な荷重とモーメントを計測している。計測データをもとに、膝の内外反方向の支援および内外旋方向の支援がどの程度あるかを力学的に明らかにできるように進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1軸力覚センサを組み込んだ膝装具計測システムの開発および計測は以前から進めていたため計測データの分析が少し進めることができていた。また、コロナ禍でもしっかりした感染症対策を講じて実施することができたため、変形性膝関節症患者と健常者のデータも取得ができた。よって、膝装具下腿内側支柱部が歩行中に支援をしている構造部であることも明らかにできた。同解析データは、論文としても掲載された。また、変形性膝関節症患者のデータ獲得においても、病院の協力を得られ被験者データも増加し研究は順調に進展した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、「変形性膝関節症患者の適切な矯正モーメントを確定する膝装具歩容診断支援装置の構築」という研究課題名で科研費申請したが、予定していた研究費よりも下回ったため「膝装具が矯正するモーメントの分析と計測システム開発および膝装具新デザイン設計開発」として本研究を進めている。本研究では、膝装具計測システムで膝装具によるメカニカルストレスがどの程度あるかを力学的に明らかにできるシステム開発と現状の膝装具よりも矯正力を大きくできる膝装具のデザイン設計および開発を目指して実施している。 2022年度は、膝装具下腿内側支柱部が矯正力に大きく寄与していることを明らかにし、更に膝装具による矯正モーメントを計測できる新膝装具計測システムを構築した。2023年度以降は同計測システムを用いて膝装具によってどの程度矯正力があるのかを力学的に明らかにできるように進める。また、強制力を大きくできる膝装具デザイン設計および開発も進め、矯正モーメントが調整できる膝装具の技術を確立させたい。
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