研究課題/領域番号 |
22K11355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪行岡医療大学 |
研究代表者 |
井坂 昌明 大阪行岡医療大学, 医療学部, 講師 (70735505)
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研究分担者 |
赤坂 憲 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (70468081)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | サルコペニア / フレイル / 高齢者2型糖尿病 / 骨格筋エコー / 運動強度 / 介入効果 / 遠隔期予後予測 / 内部障害 / 高齢者 / 超音波エコー |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは、糖尿病と互いの発症リスクにおいて悪循環を形成していると考えられているが、糖尿病関連指標がサルコペニアの進展を予測し得るかは不明である。現行のサルコペニア判定として CT や MRI などが標準とされるが、実臨床ではこれらを用いての測定は、簡便性、迅速性という観点からは適さない。本研究の目的は、高齢者糖尿病に対する運動介入がサルコペニアを改善させるか明らかにし、運動介入の効果を判定するバイオマーカーとしてエコーによる骨格筋評価が有用であるか明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
高齢糖尿病患者はその病態や治療により重篤な病態との関わりが強く、予防がまず重要となる。なかでも骨格筋量および筋力低下により定義されるサルコペニアは、糖尿病と互いの発症リスクにおいて悪循環を形成していると考えられているが、糖尿病関連指標がサルコペニアの進展を予測し得るかは不明である。現行のサルコペニア判定における骨格筋量評価法としてCT やMRI などが標準とされるが、実臨床ではこれらを用いての測定は、簡便性、迅速性という観点からは適さない。 本研究の目的は、高齢者糖尿病に対する運動介入がサルコペニアを改善させるか明らかにすること。さらに、運動介入の効果を判定するバイオマーカーとしてエコーによる骨格筋評価が有用であるか明らかにすることである。老年医学におけるトピックであるフレイル、その中核であるサルコペニアは、糖尿病など生活習慣病の存在により、その病態が促進されることが臨床的検討から明らかにされつつある。この観点に基づき、運動および栄養介入の効果判定に身体機能評価および血液検査を施行した高齢者(65歳以上)のデータベースを用い、骨格筋エコーを用いた簡便なサルコペニア評価法およびフレイルまたはサルコペニア指標との関連について検討してきた。本年度は、サルコペニアと骨格筋エコーに関連する論文を共同著者として国際誌2本が採択された。また、筆頭演者として国内学会4件、また共同演者として国内学会5件の成果を残した。現在、これらの成果を集約し、本研究課題について論文執筆中である。 本年度得られた成果は、未だサルコペニア糖尿病患者を対象としたRCT研究がない中で、その真偽を明らかにする研究となる可能性がある。そのなかで、核となる骨格筋を評価できる超音波エコーを用いた下腿筋評価法の礎となり、高齢糖尿病患者に対する新たな評価指標としての意義を示すことにおいて重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、対象者獲得に至らず計画していた症例数に到達できずにいるが、そのなかにおいて、医療法人グループにおける外部講師として、リハビリテーションにおけるフレイル・サルコペニア予防への介入方法について研修会を実施した。また、骨格筋エコーの有用性に関連する研究について国際誌2本、筆頭演者として国内学会4件、また共同演者として国内学会5件の成果を社会貢献として還元することができた。現在、完遂した症例数は当初の計画に至っていないが、サルコペニア合併高齢糖尿病患者のエコーによる骨格筋特性および運動強度別のクロスオーバー比較試験による運動強度別の介入効果を解明するため、得られた結果から論文を執筆中である。サルコペニア合併高齢糖尿病患者に対して運動強度が血糖改善とともに骨格筋の筋量や筋質の改善が得られるかについては不明である。本研究により、これらを同時に評価できる方法のみならず高齢糖尿病患者に対する新たな運動療法を明確化することができる。 現在までに、超音波エコーを用いた骨格筋評価法がサルコペニアに対して予測可能であること、簡便なアプローチ法として有用であることを示した。これらの成果は実臨床における評価法の確立に向け期待される。
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今後の研究の推進方策 |
更なる社会貢献を果たすため、本研究におけるエビデンス構築を目的にサルコペニア合併高齢糖尿病患者を対象に、運動強度別効果の検討、超音波エコーを用いた骨格筋評価の実臨床応用、その評価法により治療介入の効果判定や遠隔期予後予測が可能となるかを明らかにする研究を継続していく。そのためには、サルコペニアに関する研究を以前から実施しており、すでにチームでの役割分担や連携の確認も完了している。また、本研究に用いる全ての測定指標は、現有する機器にて測定可能なものばかりであり、研究チームはそれぞれに高度な専門知識と研究能力を有し、機器の操作および解析にも精通していることを再確認した。万が一不測の事態が生じて研究の遂行が困難になった場合においても、研究分担者または研究協力者が代行し継続する体制の再確認を実施した。 今後は、サルコペニア合併高齢者糖尿病における【核】となる運動介入および骨格筋指標を開発するため、現在までの成果を基に超音波エコーを用いた骨格筋評価法の有用性に関する論文投稿を進めるとともに、関連学会にて本研究のエコー評価の意義についてシンポジウムへ登壇予定である。
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