研究課題/領域番号 |
22K11381
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
菊元 孝則 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (10780653)
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研究分担者 |
久保 雅義 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (50460332)
高林 知也 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (00780339)
大森 豪 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (70283009)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 慢性足関節不安定症 / 足関節捻挫 / 発症率 / 病態分類 / バスケットボール |
研究開始時の研究の概要 |
慢性足関節不安定症(CAI)の好発競技であるバスケットボールに着目し,新潟県バスケットボール協会に所属している全選手(8~22歳)合計13,464名を対象に,1:新潟県内全選手におけるCAI発症率の検証,2:病態のタイプ分類,3:各タイプにおける足関節捻挫の再発率の前向き調査を目的とする.その過程で,病態タイプ別における発生率の性差や年齢差の検証に加え,個人因子や環境因子が病態に与える影響も明らかにする.足関節捻挫の再発予防という,スポーツ医科学分野の長きに渡る最重要課題の解決に向けた第一歩となる
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研究実績の概要 |
本申請課題は,慢性足関節不安定症(CAI)の好発競技であるバスケットボールに着目し,新潟県バスケットボール協会に所属している選手を対象に,1:新潟県内選手におけるCAI発症率の検証,2:病態のタイプ分類,3:各タイプにおける足関節捻挫の再発率の前向き調査を目的とするものである. 初年度の2022年度には疫学調査を実施し,U-12所属選手は1,400名,U-15所属選手は1,347名, U-18所属選手は506名の回答を得た.その結果,404名がInternational Ankle Consortium (IAC)によって統一した選定基準により,CAIを発症していることが明らかとなった(2023年度・第10回日本予防理学療法学会学術大会・発表済). これまでは疫学的な観点のみの検証であったため,2023年度は病態のタイプ分類を行うため,CAIのより詳細な足関節の機能評価を行った.CAIの姿勢制御の戦略は,股関節と足関節の戦略が協働して行われており,股関節からコントロールされる姿勢制御に足関節の運動行動障害がマスクされていることが問題点として考えられる.そこで,膝関節の伸展位固定における片脚立位の姿勢制御戦略を観察し,足関節に特化したCAIの病態を明らかにすることを目的として実験を行った.結果として,CAI群が健常群に比して足圧中心(COP)の移動距離が有意に高値を示したが,特筆すべきはCAI群における膝装具着用時のCOPの加速度である.これは,股関節からコントロールされる姿勢制御にマスクされていた足関節に特化した運動行動障害であり,運動連鎖を遮断したために露呈した新たなCAIの病態である(2023年度・第10回日本スポーツ理学療法学会学術大会・発表済). 以上より,足関節に特化したCAIの病態が明らかとなった.今後は足関節捻挫の再発率に着目して検証していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に初年度の疫学調査により,新潟県内の慢性足関節不安定症(CAI)を発症している選手のリストアップを終了し,加えて足関節に特化した評価方法に関して国際誌にアクセプトされている.加えて,継続的に疫学調査と病態把握のためのメディカルチェックを実施しており,今後は対象者も増えることが予想されているため,おおむね順調に進んでいると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
疫学調査を継続的に実施し,対象者の拡充を図り,慢性足関節不安定症(CAI)に選定された足関節の病態分類を進めて行く.加えて,病理機械的障害はTelos Stress Device(Aimedic MMT社)と超音波画像診断装置(Canon Medicals社)を使用して,足関節の前方引き出しストレスを行った際の腓骨外果と距骨間距離の離開率として算出しており,このデータを公表するための執筆活動を行う. また,今年度の研究目的として,タイプにおける足関節捻挫の再発率の前向き調査であるため,既に抽出された404名のCAI発症者を対象とした,足関節捻挫の再発率の調査を実施していく.
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