研究課題/領域番号 |
22K11391
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 晋 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40378691)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺移植 / 骨格筋機能障害 / 電気刺激療法 / 身体活動性 / 身体機能 / 呼吸不全 / リハビリテーション / 骨格筋電気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
予後不良な重症呼吸不全患者に対するlife-saving治療に肺移植術があるが、移植術後の生命予後・社会復帰を規程する因子として身体機能・骨格筋機能が重要で、対策として呼吸リハビリテーションが実施される。さらに骨格筋電気刺激(EMS)の併用の有効性を検討する。肺移植患者の生命予後規程因子として抗重力筋である脊柱起立筋に注目し、同筋を含む骨格筋機能の評価を術前・術後に横断的・縦断的に行い、EMSを併用した呼吸リハビリテーションが肺移植患者の生命予後・社会復帰率を改善させられるかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本学の医の倫理委員会による倫理審査にて承認済み(R2124-1)であり、当院で実施した肺移植患者を対象に、骨格筋電気刺激(EMS)を積極的に併用する呼吸リハビリテーションを実施し、横断的かつ縦断的評価を実施し、EMS導入前の患者をhistorical controlとして比較対照としている。現在順調に症例を集積し臨床効果の比較を行っている。EMS併用の新プロトコールの安全性も確認しており、コロナ禍においても移植術は維持継続していたため、実施に障壁となる環境的な問題は生じていない。 また、historical controlとして収集した患者については同じく縦断的な観察研究を継続しており、移植術後の生命予後因子として骨格筋のCT指標についての有用性を検討している。EMS併用のアウトカム指標としてこの骨格筋のCT指標を挙げているのは、生命予後改善効果を実証するためのマイルストーンになると見込まれるためである。150例の肺移植患者を縦断的に検討し、骨格筋CT指標として筋CT値を評価し、横断的なCT値の低値に加え、周術期におけるCT値の低下が予後不良の因子となることを示した(実績#1 PMID: 38056531)。 また、同様のESM併用呼吸リハプログラムの臨床効果は肺移植に限らず他の移植術患者に適応可能と考え、同時並行して造血幹細胞移植の患者、さらに肝移植の患者についても同様の検討を行っている。造血幹細胞移植患者において、EMS併用プログラムは対照群と比較して有意に6分間歩行距離などの身体機能の低下が抑制出来た(実績#2 PMID 36216251) 現在実績として、上記2つの実績が英文論文として採択・公開済みであり、さらに肝移植に関する英文論文1編は2nd Revisionを投稿しunder review状態にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺移植症例については、症例集積を継続している。2024年3月時点で計53例の新規患者登録がなされた。骨格筋電気刺激(EMS)を併用したリハビリテーションを実施している。 また、Historical controlについては、150例の患者の臨床経過と画像解析を完了した。そしてその群のみで生命予後指標に関して検討し、アウトカム指標として骨格筋のCT指標が有意な予後指標であることを示し、結果を論文化し公開済みである(PMID: 38056531)。 さらに並行して行っていた他の臓器移植患者におけるEMSの追加効果に関する検討は、既に造血幹細胞移植患者における効果について論文化し採択・公開済みである(PMID: 36216251)。また、肝移植に関しての研究結果は現在2nd Revisionを投稿中でUnder Review状態にある。 そして、主たるアウトカムであるEMS併用の新プログラムの効果について、現在症例を増やしつつ、解析中である。年度内の論文化と採択・公開を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
可能な範囲で症例数を蓄積することとアウトカム指標を分析し、最終結果を得ることを目標としている。そして年度内に論文化、投稿、採択を目指している。中間解析では有望な結果を得ており、本研究結果は国内の学会で報告する予定である。 肝移植に関する報告は、2nd revisionを投稿済みであり、近日中の採択が期待されるが、引き続き採択まで取組みを続けている。
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