研究課題/領域番号 |
22K11396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 隆光 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00382284)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
谷 里奈 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20783872)
森 拓也 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (70897412)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | がん性悪液質 / がん性心筋障害 / がん治療関連心筋障害 / ミトコンドリア / フェロトーシス / プテロスチルベン / スニチニブ / 抗癌剤毒性 |
研究開始時の研究の概要 |
抗がん剤由来心筋障害は、がん治療を制限し予後を不良にする。抗がん剤由来心筋障害の機序を解明し、改善法を見出すことはがんの治療において重要なインパクトを有する。本研究では、抗がん剤由来心筋障害の原因としてミトコンドリア障害に焦点を絞り詳細な変化を解明するとともに、先行研究等で効果が期待される食品成分を検討し、具体的な予防法の開発に結びつける。本研究の結果は、抗がん剤治療の可能性を拡大し、疾患予後を改善させることが期待される。また、本研究によって得られた知見は抗がん剤による心筋障害のみならず、他の原因による慢性心不全のリハビリテーションにも有用であると考えられる。
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研究実績の概要 |
癌患者の死因は心機能障害に次いで多い。抗がん剤による心毒性がその原因として強調されているが、その詳細は不明である。このメカニズムを調べるため、ラット心筋芽細胞H9c2細胞をスニチニブ、ラパロチニブ、5-フルオロウラシル、シスプラチンで処理し、その作用を調べた。すべての抗がん剤は、ミトコンドリア内の活性酸素、過酸化脂質、鉄(II)レベルを増加させ、グルタチオンペルオキシダーゼ4レベルとGSH:GSSG比を減少させた。このような背景から、ミトコンドリアの鉄(II)は、ヘムオキシゲナーゼ1とフェロキラターゼの発現が制御されないことにより蓄積する。抗がん剤による細胞死は、N-アセチルシステイン、デフェロキサミン、フェロスタチンによって抑制され、フェロプターシスを示した。抗がん剤投与はH9c2細胞のミトコンドリアDNAを障害し、酸化的リン酸化を阻害した。同様の結果は、in vitroで抗がん剤を投与した非がんラットの心臓でも観察された。これらの結果から、抗がん剤による心筋障害にフェロプトーシスが重要な役割を果たすことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
がん性心筋障害の重要な部分であるがん治療関連心筋障害にフェロトーシスが重要な役割を果たすことを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、抗がん剤により誘導されるフェロトーシス;を抑制する方法について検討を行う。
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