研究課題/領域番号 |
22K11405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 信幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60328325)
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研究分担者 |
土田 知也 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90571505)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 反復性経頭蓋磁気刺激 / Long COVID / 慢性疲労症候群 / 筋痛性脳脊髄炎 / Brain fog |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19感染後に、強い倦怠感や集中力・記銘力低下、頭にもやがかかるようなBrain fogと呼ばれる症状など、様々な脳由来症状が長期間持続する後遺症がかなり高率に発生し、Long COVIDと呼ばれ社会問題化している。原因も未だ不明確で、有効な治療法は確立していない。一方、脳由来症状を頭の外側から特殊な磁場を用いて改善させる反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)という新技術が近年発達している。このrTMSを用いて、Long COVIDの症状を改善させることができるかどうかについて統計的に解析する。
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研究実績の概要 |
COVID-19感染後には長期持続する後遺症が高率に発生することが知られており、一般的にLong COVIDと呼ばれる。共通する訴えである強い倦怠感の他、Brain fogと総称されるような様々な認知障害が生じ、社会生活や日常生活が著しく阻害されるため大きな社会問題となっている。これらの症状の改善に反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)が有効であるかどうかについて調査した。 対象は当科外来を受診したLong COVID患者。倦怠感を簡易倦怠感尺度(BFI)、自発性をアパシースケール(AS)、詳細な認知機能をウェクスラー成人知能検査第4版(WAIS4)、脳血流をIMP-SPECTを用いて評価した。評価のタイミングはrTMS開始前(Pre)、1回目のrTMS終了直後(IA)、10回のrTMS終了後(Post)の3時相とし、BFIとASは3時相とも、WAIS4とIMP-SPECTはPreとPostにおいて施行した。rTMSにはMagPro R30とダブルコーンコイルを用いて、前頭葉および後頭葉に対して10Hzの賦活性rTMSを週に1回、連続10回行った。刺激強度は上肢運動野における最小運動閾値の80%とし、1回の施行で前頭葉・後頭葉にそれぞれ1200発ずつ刺激を行った。 PostにおけるBFI、AS、WAIS4の全項目はPreに比し有意に改善していた。IMP-SPECTはPreにおいて両後頭葉皮質および両前頭葉外側皮質、両上縦束の血流低下を示していたが、Postではその範囲や程度の改善傾向が認められた。rTMSにより簡易かつ非侵襲的にLong COVIDの倦怠感や認知機能障害を改善させる可能性が示唆された。 結果については学会口演、英語論文および日本語総説等により発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずは効果の有無を検証する段階において一定の成果を得ることができた。英語論文もアクセプトまで時間を要したものの、世界初のrTMSを用いた治療的介入として公表することができた。株の変異により感染急性期の重症度は低下し、世間的にもパンデミックの恐怖は薄らいでいるが、Long COVID患者自体は感染から1、2年経過して来院することが多いため、現在も数多くの患者が受診しており、今後の研究遂行に問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの患者には同じ脳部位に対する賦活性rTMSを施行し、その有効性を示すことができた。しかし、患者の症状やSPECTにおける脳血流低下部位は個々によって様々である。現在、症状や所見に応じて賦活部位を変更する手法で治療的介入を行っており、その有効性・妥当性について検証を行っていく予定である。具体的には、多くの患者で共通的に後頭葉の血流低下を認めるものの、前頭葉の血流低下を認めるものはその半数程度である。後頭葉・前頭葉ともに血流低下を認める症例と、後頭葉のみに血流低下を認める症例とで、rTMS前後での認知機能の推移に差があるかどうかについて調べる。 また、本治療的介入に最適なrTMSの刺激セッション数については不明である。これまでは10セッションの治療的介入を基本としてきたが、それでは効果が不十分で、再度治療を希望する患者も少なくない。適切なセッション数についての検討もしていきたい。具体的には、10セッションで終了した患者と20セッション続けてrTMSを行った患者とで、同期間における認知機能の変化に差があるかについて解析する。
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