研究課題/領域番号 |
22K11407
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
柴田 斉子 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (40319265)
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研究分担者 |
加賀谷 斉 藤田医科大学, 医学部, 客員教授 (40282181)
稲本 陽子 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (70612547)
青柳 陽一郎 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30286661)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 末梢磁気刺激 / サルコペニア / 嚥下障害 / 摂食嚥下障害 / 舌骨上筋群 / レジスタンストレーニング / 磁気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは骨格筋量の加齢に伴う低下に加えて,筋力,身体機能の低下を呈する.近年,サルコペニアによる摂食嚥下障害が注目され,その治療には嚥下関連筋のレジスタンストレーニングが重要である.われわれは疼痛なく施行可能な磁気刺激を用いた舌骨上筋群の筋力トレーニング法の開発に成功したため,サルコペニアによる摂食嚥下障害に対して適用可能と考えた.本研究ではサルコペニアによる摂食嚥下障害患者に対し舌骨上筋群筋力強化が得られる磁気刺激の条件を定め,舌骨上筋群筋力強化,摂食嚥下機能の改善が得られるかどうかを検証する.
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研究実績の概要 |
サルコペニアの診断基準に該当し,摂食嚥下障害を有する患者2名に通常の摂食嚥下リハビリテーションに加えて,舌骨上筋群への磁気刺激を5,400発/日,5回/週実施し,頸部屈曲筋力,開口筋力,舌圧の変化,摂食嚥下障害の重症度を比較した. 症例1は大腿骨近位部骨折術後の81歳女性で,心不全の既往あり.磁気刺激療法開始前のBMI:16.5であった.週5日,4週間の磁気刺激を実施できたが,頸部屈曲筋力,開口筋力に変化は認めず,舌圧は8.1%増加したが,摂食嚥下障害の重症度は水分誤嚥のままであった.筋力増強のために栄養摂取量の増加を試みたが,1日平均栄養摂取量1600kcalまでしか増量できなかった. 症例2は69歳男性,腎癌術後.併存症として陳旧性脳梗塞を有していた.磁気刺激療法開始前のBMI:16.9であった.週5日,4週間の磁気刺激を実施し,開始時と比較して頸部屈曲筋力が34.3%増加,開口筋力は15.7%減少し,舌圧は43.9%増大を認めた.摂食嚥下障害の重症度は食物誤嚥から水分誤嚥に改善した.1日平均栄養摂取量2000kcalまで増量しながら磁気刺激療法を実施することができた. 舌骨上筋群への磁気刺激療法の効果については,1日あたりの刺激回数,実施期間に加え,対象者の基礎疾患及び栄養摂取状況や活動量も影響することが考えられた. 舌骨上筋群への磁気刺激の効果の直接的な指標として,エコーで計測したオトガイ舌骨筋の筋断面積の変化を計測予定であったが,計測者間の一致率が低く信頼性が得られなかったため,嚥下造影検査の側面像から測定する舌骨挙上距離を結果に加えることとした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サルコペニアの診断基準に該当し,摂食嚥下障害を有する患者が計画時の予想より少なく,対象者のリクルートが遅れたため.引き続き症例のリクルートに努める.
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今後の研究の推進方策 |
舌骨上筋群への磁気刺激の効果の直接的な指標として,エコーで計測したオトガイ舌骨筋の筋断面積の変化を追う予定であったが,計測の再現性,信頼性の確保が難しく,別の指標として嚥下造影検査の側面像から測定する舌骨挙上距離を加えて検討する. 症例数を増やし,可能な症例では刺激期間を8週間まで延長し,筋力増強が得られるまでの総刺激回数,刺激期間を検討する.
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