研究課題/領域番号 |
22K11408
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
松島 佳苗 関西医科大学, リハビリテーション学部, 准教授 (60711538)
|
研究分担者 |
井手 正和 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究員 (00747991)
渥美 剛史 杏林大学, 医学部, 助教 (90781005)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 協調運動 / 神経発達症 / 運動制御 / 予測 / センサー / 幼児期 |
研究開始時の研究の概要 |
協調運動の障害を示す児は,同年齢の子どもに比べ,身辺動作,書字,球技などの遂行能力が著しく低く,学齢期では自尊心低下や不安を引き起こしやすい.協調運動障害の神経学的基盤は現在も明らかではないが,近年,運動の予測的制御の関与が示唆されてきている.本研究では,運動の予測的制御能力に関して,幼児期からの発達的な変遷を定量的に比較検証し,協調運動障害に対する効果的なリハビリテーションの支援技術や新たな評価手法の開発につなげる.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、幼児期の自閉スペクトラム症(ASD)ならびに発達性協調運動症(DCD)の予測的運動制御に関して,その特徴を明らかにすることであり,効果的なリハビリテーションの支援技術や新たな評価手法の開発につなげるための指標を特定することを目指している。本年度は、主に昨年度実施した予備実験の結果に基づき、健常成人を対象としたデータ収集を実施した。 運動のシミュレーション課題については、模倣課題を用いており、他者動作観察時の視線データを中心に解析を進めている。 運動のプランニング課題においては、ESC効果をみるための棒移動課題を採用している。この課題では、予測段階の視線と課題の最終ゴールを考慮した上肢運動について関連性の検証を進めている段階である。現在得られて観察データからは、成人の場合、操作する対象物と被験者の身体的特徴(上肢長や手の大きさ 等)が加味される傾向が示されており、ヒトは対象物の物理的特性や運動行為の目的性だけではなく、自己身体情報も加味した上で運動のプランニングを行っていることが示唆される。 また、当該研究では、対象物操作を伴う上肢の目的動作に着目しており、対象物の特性に応じた運動制御(力加減)についても計測を行っている。具体的には、柔軟な樹脂性素材に三軸センサーを埋め込んだ新たなディバイスを開発し(2022年度に実施済)、それを複数回移動させるといった反復的移動課題を考案した。この課題は、 (1)持ち上げる、 (2)移動させる、(3)離す(置く)の3つの過程に分けることができ、各操作区間で対象物に及ぼす力を計測し、その特徴について分析を行っている。 社会性と協調運動との関連についてのシステマティックレビューは、共同研究者間でレビューのプロセスがほぼ完了しており、得られた成果について公表する準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常成人のデータを収集する段階まではおおむね順調に進んでいるが、データの解析結果を次のプロセスに活かしていくための検証、センサーの精度に関する改良などを並行して進めていることから、当初の予定よりはやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度内には、研究開始当初から進めているシステマティックレビューについて、関連する学術誌にて成果報告を行う。 また、定型発達児のデータ収集を今年度夏以降に実施し、各指標の発達的特徴について検証を進めると共に、神経発達症児のデータ収集も開始することを予定している。
|