研究課題/領域番号 |
22K11409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
山路 純子 (田代純子) 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (40340559)
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研究分担者 |
森 禎章 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 名誉教授 (70268192)
早崎 華 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (90257866)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 骨格筋 / 筋萎縮 / ミオシン重鎖 / 分子生物学 / cAMP / マイオカイン |
研究開始時の研究の概要 |
昨今、感染拡大等の自粛生活や記録的自然災害の被災生活により、運動機会減少による筋萎縮(加齢性・廃用性)のリスクが問題となっている。現状では筋萎縮(加齢性・廃用性)の回復には運動以外に有効な治療法や薬剤が存在せず、効果的な分子機序に基づく有効な予防や治療法の確立が必要である。本研究は運動時に働く筋の受容体(CGRP受容体、β受容体)と下流のcAMPの分子機構に着目し、筋萎縮(加齢性・廃用性)の新しい予防・治療の基盤確立を目指す。
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研究実績の概要 |
筋萎縮には筋の不動により主に遅筋線維(ミオシン重鎖クラスI)が減少する廃用性筋萎縮と、加齢により生じる主に速筋線維(ミオシン重鎖クラスII)が減少する加齢性筋萎縮(サルコペニア)があり、いずれも運動機会の低下は筋萎縮発症のリスクとなる。しかし、これらの筋萎縮の予防や回復には、運動以外に有効な治療法や薬剤が存在しないため、効果的な分子機序の同定やそれに基づいた治療法の確立が必要である。(1)運動神経等の末梢神経終末から筋上の受容体へ分泌するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)や(2)筋上のβ-アドレナリン受容体(β受容体)、(3)両者の下流因子cAMPに焦点を当て、遅筋や速筋の筋線維(ミオシン重鎖)への発現、(4) 両受容体の下流因子cAMPの作用を分子生物学的に解析する事により、これらから筋の維持に必要な筋線維(遅筋・速筋)発現の分子機構を明らかにし、筋萎縮の新しい治療の基盤確立を目指す。令和4年度においては、ミオシン重鎖のアイソフォームの決定に関わる因子について分子生物学的解析を進めた。 実験材料には骨格筋芽細胞C2C12細胞を使用した。骨格筋由来因子やミオシン重鎖アイソフォームのmRNA発現の解析には、定量PCR法を用いた。 これらの結果、(1)遅筋を構成するミオシン重鎖アイソフォームのmRNA発現においては、ベータ受容体やその下流cAMPの作用の影響が示唆された。一方、速筋を構成するミオシン重鎖アイソフォームの発現には、ベータ受容体の影響を受けるものと受けないものがあり、各アイソフォームの発現機序の違いが示唆された、(2)一部のインターロイキンの発現において、ベータ受容体による影響を受けない傾向が観察され、カルシウムシグナルの影響を受ける可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度の計画より、発現機序因子の追加解析の必要が生じたことや令和4年度に計画していた画像解析(筋管肥大の評価)の条件最適化調整の必要が生じた事が理由となる。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進策として、画像解析(筋管肥大の評価)を用いるとともに、発現機序に必須と推定される追加因子の検討について試薬類(アゴニストや阻害剤等)を用いて解析を実施する予定である。
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